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それから、「何もしなくていい」と言い張るセノさんを押し切って、何とか私へのお願いを絞り出してもらった。

付いてきてほしい場所がある、と言われ、セノさんの一歩後ろを歩く。魔物が発生しないかと思ったのだが、セノさんが守ってくださるらしい。

爛々と輝く月光に照らされた彼が「お前の家族のことについて教えてほしい」と振り返った。目を合わせてくれたのに何だか照れくさくて俯いた私は、ぽつぽつと言葉を紡いでいく。



「両親とも社交性があって非常に優しい人でした。父も母も数年前に亡くなってしまいましたが…」

「……そうか」

「父は昔教令院で学者をしていましたが、私が幼い頃に辞めてそれからは璃月で商いをしていました。母は父の手伝いをしながら、礼儀作法や裁縫など色んなことを教えてくれました」



今でも思い出される幼い記憶。楽しい日々と共に、それが崩れた瞬間も蘇るのだ。



「お前の父は教令院でどんな研究をしていた?」

「すみません、幼い頃なのでよく覚えていないのですが……。学者を辞める直前に行っていた研究は、当時学者に憧れていた私にも手伝わせてもらった記憶がかあります」

「………」

「父曰く、集大成に相応しい研究になるだろう、と」



それがどんな研究だったのか、今は知る由もないのだが。



「君はまだ学者になりたいという夢を持っているか?」

「…はい。ですから今度セタレさんの授業を手伝わせていただくことになりまして…」



もしかしたら一般の人より速度は遅いかもしれないが、幼いころ目に焼き付いた学者である父の姿に追いつきたいのだ。



「お前は、偉いな」



隣から伸びてきた手が、私の頭に止まって優しく撫でるのだ。偉いなんて言われるようなことをした覚えも、している覚えもないのだが、その優しさに何だか泣きそうになった。



「もっとお前のことが知りたい」

「……え」



教えてくれないか、と囁かれてはもう断る理由なんて見つからない。

私はセノさんと接する上でも私の出生やアアル村へ辿り着くまでの経緯を話さなくては失礼かと感じたので、キャンディスへ話した時と同様に過去の続きを話し出す。



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・→←06:月下の青年



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咲原(プロフ) - まるさん» 読んでくださり光栄です。。!ありがとうございます(˶' ᵕ ' ˶)! (8月13日 12時) (レス) id: 2d2082fe5f (このIDを非表示/違反報告)
まる - 最高でした!!お疲れ様です! (8月13日 6時) (レス) @page48 id: 626fa9ab7b (このIDを非表示/違反報告)
咲原(プロフ) - あいうさん» ご覧頂きありがとうございます!元ゲームの雰囲気を壊さずに慎重に書いていましたのでそう言っていただき光栄です……!自分らしく執筆を頑張りますね! (2023年2月21日 16時) (レス) id: 2d2082fe5f (このIDを非表示/違反報告)
あいう - セノの小説あまり無かったのでめっちゃ嬉しいです!話しも自然ですごいです。めっちゃ好きです。自分のペースで更新頑張って下さい!応援してます!! (2023年2月20日 1時) (レス) id: 914ffe60d8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:咲原 | 作成日時:2023年1月19日 12時

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