Sanctuary <Jesse×Hokuto> (ページ23)

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瞼を開けると、その眩しさに眉をひそめた。

「…ん、ジェシー、起きた？」
「せんせ、？」
「あぁ、寝てていいよ。今水持ってくる。」

視界に写る天井は間違いなく俺の部屋だし、
聞こえてくるこの声は間違いなく先生だ。

…なにが、起きた、？

「はい、水。ちょっと起きれる？」
「あの、先生…、」
「…はぁ、まったくもう、」
「ぇ、？ちょ、っ」

まさか先生、あれから一晩中ここにいたの？

と聞こうとしたその時、
コップから水を口に含んだ先生が
寝ている俺にすっと近づいた。

「んん、…ぅ、」
「…っん、」

いつもの感触と、適度に冷たい水が
俺の口内に侵入してくる。

昨日まで風邪を引いていた俺は、朝から巻き起こる出来事にいちいち理解が落ち着かない。

口の隙間から漏れてしまった水が、
俺の頬を伝っていくのが分かる。

先生はまた俺に近づいて

口付けにも似た感覚で、零れた水すら掬いとって見せた。

「うん。熱も下がったみたいだね。」
「…俺、舐めて体温測る人見たことない。」

久しぶりにひいた風邪が、見事に拗れてこの有様。

「まだ怠そうだね。」
「うん。ちょっと、」
「大学は休んだ方がいい。」
「…分かった、」

大学の授業やアルバイトよりも先に
先生には会っちゃいけない。
という気持ちに囚われた。

あの人にだけは迷惑をかけちゃダメだ。と

真っ先に、文字を連ねる姿が浮かんだんだ。

「…せんせ、仕事は？」
「なに、心配してくれるの？」
「当たり前だよ。」
「安心して。終わらせてきたから。」

そんな嘘までついちゃって。

目の前にいるこの人が苦しいほど愛しくて、そんな人に迷惑をかけている自分が死ぬほど憎かった。