第8話 ページ8
引きつった顔で彼に助けを求める。
すると、彼は任せろとでもいうかのようにこくこくと頷いた。
どうやらフォローしてくれるらしい。
と、思った私が馬鹿だった。
私は彼の最大の難点を忘れていたのだ。
「婚約者だ」
「「「「！？？」」」」
そう、彼はド天然なのである。
何故私はそれを忘れていたんだ。
轟くん的にはフォローしたつもりなんだろうけど、私にとっては火に油だよ！！
とんでもない爆弾発言により言葉を失う私たち。
本来ならばここで轟くんの頭を軽く叩いて「なんでやね〜ん」などのツッコミを激しく入れたいのだが、残念ながら初対面の人(エンデヴァーの息子)にそんなことが出来るはずが無いのだよ諸君。
「まさか轟くんに婚約者がいたなんてな！驚いたぞ！」
「そ、そうだったんだ！すごい…そんな人がいたんだね、轟くん」
「轟くんさすがやね！やっぱお金持ちはちゃうなぁ…！」
「いやいやいや、違います！！」
驚きながらも納得するみんなに、私は慌てて誤解を解こうと必死になる。
ていうかなんでみんなそんなに飲み込み早いの…！？
「違うのか？」
「違うでしょ！？」
轟くんは頭にはてなを浮かべて少し悩んだ後、ハッとしてから今度は親指を立てて私に見せた。
なんだか嫌な予感がする。
「わりぃ、間違えた」
「えっ、違ったの？」
「おう」
どんな間違いだよ、とつっこむ人が誰一人としていないのが怖い。
ヒーロー科って、みんなこういう純粋な人達ばかりなのであろうか。
だとしたら、相澤先生ほんと大変だな…。
どちらかというと今大変なのは私の方なのに、何故か相澤先生を哀れんでいた。
「妻だ」
「「「つっ…！！！？」」」
「あ〜うん知ってたけどさぁ！！」
ほら見たことか。
相澤先生を哀れんでいた間にもう彼は取り返しのつかないところまで私を追い詰めている。
ここまで来るとさすがに彼の最大のボケなのでは？と思い始めてしまう。
ただ一つ言えるのは、計算でやるボケと天然ボケでは、罪の重さが天と地ほどの差があるということだけだ。
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なっつ(プロフ) - めっちゃハマりました〜！何回も読み直してます！続き待ってますね★ (2019年7月12日 8時) (
レス) id: 891cb8f982 (このIDを非表示/違反報告)
ヨシ - 轟君がピュアで可愛すぎる…！いいですね、ピュアろき君！更新楽しみにしてます！ (2019年7月3日 22時) (レス) id: 59138960e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨夜なつ | 作成日時：2019年5月24日 20時
