第11話 ページ11
「…ヤキモチ？を、妬かれました」
この間、彼はあからさまにヤキモチを妬いていた。
あんなふうに、私関連でヤキモチを妬かれるなんてことは生まれて初めてだったから、なんだか変な感じがした。
「へぇ。誰に妬いたんだ？」
「心操くん」
「俺かよ」
私が答えると、心操くんはなんだか楽しそうに笑った。
「あ、噂をすれば」
ふと心操くんが横を向いたので、私も同じようにその視線を辿れば、そこには緑谷くん達と一緒に歩いている轟くんがいた。
バチッと目が合って、それから轟くんはふっと優しく笑った。
その笑顔がとても綺麗で、思わず心臓が高鳴る。
柔らかい笑みを浮かべて手を振ってくる轟くんに、私は少しぎこちない笑顔を浮かべて手を振り返す。
すると、急に肩を掴まれ重心が右側に傾き、どうすることも出来ない私はそのまま心操くんの肩に頭をぶつけた。
「いたっ！…急に何してんの心操くん」
「だってあいつ、推薦されたやつだろ？ちょっとヘコましてやりたくなんじゃん」
「意地悪い…！」
「あれ、知らなかった？」
ニヤニヤと笑いながら私を見下ろす心操くんは、何だかとても活き活きしている。
「知ってましたけども…」
「お、効果大じゃん。お前すごいな」
ほら、と指をさされてもう一度轟くんの方を見ると、絶望と怒りが混ざったような明らかに不機嫌な顔をした轟くんがこちらを見て固まっていた。
「あいつあんな顔もするんだな」
「ほんと、いい性格してますね…」
後で何か言われるの私なんですけど…。
そう思いながら楽しそうに笑う心操くんをジト目で見つめた。
その後、こちらを、と言うよりは心操くんを睨んで動かない轟くんを、緑谷くん達が苦笑いをしながら引っ張って行った。
有難いような、申し訳ないような…。
そんなことを思いながら彼らの背中を見つめていた私を、心操くんは見ていた。
その事に私は気が付かないまま。
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なっつ(プロフ) - めっちゃハマりました〜！何回も読み直してます！続き待ってますね★ (2019年7月12日 8時) (
レス) id: 891cb8f982 (このIDを非表示/違反報告)
ヨシ - 轟君がピュアで可愛すぎる…！いいですね、ピュアろき君！更新楽しみにしてます！ (2019年7月3日 22時) (レス) id: 59138960e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨夜なつ | 作成日時：2019年5月24日 20時
