気になる子 ページ3
それから毎日、放課後になってからは彼女に会いに行った。
彼女の話はいつも面白くて、楽しいものばかりだ。
でも基本的に幽霊になってからの話しかしない。
まぁ亡くなった前の記憶がないと言っていたのだからそれもそうなのだが、何処か違和感を感じた。
亡くなった前の話を聞いた時に、何故か悲しげになる彼女の横顔は、何かを隠しているようだった。
藤田「おーい！た·な·か·く·ん！！」
田中「へっ何？」
藤田「もう、話聞いてなかったでしょ！」
田中「ごっごめん…」
藤田「なら…私の質問に答えてくれたら、チャラに しよう。」
田中「質問？」
藤田「田中くんは、彼女いる？」
田中「なっ、何言ってるのさ！？」
藤田「で？いるの、いないの？」
田中「いたことないよ。1人も…」(ボソッ)
藤田「へーそうなんだ。じゃあ友達は？」
田中「友達なら多くはないけど、何人かは。」
藤田「友達いるのに、毎日こんなところ来てていいの？」
田中「福田と荒井は部活あるしな…」
藤田「駄目だよ！！」
田中「えっ？何が？」
藤田「高校生と言ったら、人生で輝ける最高の時期なんだよ！？」
田中「うっ、うん？」
藤田「なのに彼女も作らない、友達とも放課後遊ばない、部活も入っていないなんて！」
田中「藤田さんは、夢見すぎだよ。全員がそんなに輝いてたら、学校中…いや日本中がリア充だらけ…」
藤田「それの何がいけないの？」
田中「へっ？」
藤田「いいじゃん夢見たって。夢は自由に見られるんだから！楽しもうよ…！人生は1度きりだよ？」
田中「そうかな…？でもな…」
藤田「好きな人とかいないの？」
田中「いないかな…」
藤田「クラスに可愛いことか気になる子とかいるでしょ？」
田中「そうだな…気になる子ならいるかも…。」
藤田「どんな子？」
田中「一度も見たことないけど、隣の席の空いてる女の子がいてさ。」
藤田「………」
田中「もう亡くなってる子なんだけど、どんな子だったんだろうって思っててさ…」
藤田「その子の事…好き…なの？」
田中「どうなんだろう？好きとか分かんないからさ」
藤田「もしかして初恋もまだなタイプですかw」
田中「うるさいな…もう6時過ぎるからまた明日ね」
藤田「ごめんね…こんなに付き合わせちゃって」
田中「大丈夫！じゃあね！」
藤田「うん、じゃあね…」
いつか気づいてよ…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：朝日奈奏 | 作成日時：2017年8月3日 18時
