【あんスタ】うちの執事はいつも無表情【男主】【氷鷹北斗】

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〜誠矢side〜



Aくんはとても良い子だ。




頭が良いとか顔が良いとかそういうのもあるけど、一番のAくんの魅力は人のことを思いやれる人並み以上の優しさがあることだ。



無表情だから空気の読めない奴だとか根暗な奴だとか言われるかもしれないけど、少しでも一緒に時を過ごせばAくんの良いところが沢山分かるはずだ



だが、Aくんは人のことを優先するばかりに自分のことを疎かにしてしまうことが多々ある。



それが、Aくんの数少ない難所の一つだろう。




無茶をし過ぎたAくんに僕たちがどれほど怒って、どれほど心配しているか頬を叩いて証明した




理解の早い子だから、すぐに僕たちの気持ちを分かってくれると思っていたが…………









「…………俺たちはな、Aが無茶したことに対して怒っているんだ」









.









彼が、泣きそうになっているのは、気のせいだろうか……………？








『……………無茶をしてしまい、申し訳ありませんでした。』







無表情のはずの顔が、いつもと変わらないはずの声が……………苦しそうだ。







「僕たちは本当にAくんのことが心配だったんだよ。………分かってくれたかい？」






『………はい。ご心配をおかけしてしまい、申し訳ありません。』








北「だから！！俺たちはそこに怒ってるんじゃない！！お前が、無茶したことに怒ってるんだ！！！」





今まで何も喋らずにいたほっちゃんが言った。





……………ほっちゃんはきっとAくんが想像する以上にAくんのことが好きなんだ。






………Aくんは、想像もしてないかもな。





電話をかけてきた時もそうだ。





ほっちゃんは僕のことをあまり好きではないはずなのに、突然向こうから電話がかかってきて、何事かと思ったら。






"Aが………Aが、怪我した。すぐに、○○病院にこい。"





………ほっちゃんの泣きそうな声なんて、何年ぶりに聞いただろうか。

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