4話 ページ5
「おはようございます！」
「おぉ、おはようA」
「Aちゃん、おはよう」
笑顔を向け、挨拶を返してくれる二人。
マスターの誠司さんと奥さんの万智さん。二人とも私を本当の子供のように可愛がってくれるから、大好き。
「なんだ、えらく早いじゃねぇか。まだ出勤まで時間あるぞ」
「あ、えと…そうなんですけど…」
「ふふっ…今日は久々のステージだものね。楽しみで早く来ちゃったのかしら？」
くすくすと可愛らしく笑って、私の頭を撫でてくれる万智さん。
左馬刻さまや誠司さんとはまた違う、細くて柔らかい、優しい手が心地いい。
「そうなんです…‼それに、今日、左馬刻さまも来て下さるって…‼」
「まぁ、そうなの？なら、めいいっぱいおめかししなきゃね」
まるで自分のことのように喜んでくれる万智さんに、思わず私も笑みが浮かぶ。
「っとに…あの小僧、Aにはアホほど甘いからな」
やれやれ、とでも言いたげに、誠司さんはため息をつく。
元々左馬刻さまと同じ組にいて、彼を昔から知っているせいか、どうにも私に対する態度が信じられないらしい。
今でこそもう慣れてきたそうだが、ここに来た当初はそれはそれは驚いていた。
”お前もそんな顔出来るんだな”とか、”ハマの狂犬が丸くなったもんだな”とか。
思わずそんな言葉が出てくるくらい、左馬刻さまは私に対して大層優しいんだそうだ。
それを聞く度、何だか私だけ特別なんだと言ってくれているようで、とても嬉しくなってしまう。
「だいたい、未だに過保護過ぎるんだよ。隙あらば店に来やがって」
「あら、絶対に一人で買い出しに行かせない貴方がそれを言いますか」
「あ？」
「ふふっ…何でもないですよ」
確かに…私がお店の買い出しに出る時は必ず誰かスタッフが一緒についてきてくれる。
最初の方こそ、一人でも大丈夫だと毎回粘っていたのだが、誠司さんがどうしても譲ってくれなかったため、今はお言葉に甘えている。
万智さん曰く、”Aちゃんのことが可愛くて仕方ないからね、心配でたまらないのよ”ということらしい。
一人でも役に立ちたいと思う一方、こんなにも大切に思ってくれる人達がいることが、幸せで仕方ない。
「さぁAちゃん、着替えてらっしゃい。髪は私が後でセットしてあげるわ」
「はいっありがとうございます‼」
万智さんに背を押され、誠司さんに頭を撫でられ、私は準備をするため、店の奥へと向かった。
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和三盆糖(プロフ) - 香織さん» 閲覧、コメント誠にありがとうございます。ベタ甘な左馬刻さまが刺さったようで嬉しいです…!!マイペース更新にはなりますが、引き続きお楽しみいただけましたら幸いです。 (2021年6月6日 17時) (
レス) id: 4f53f84ba0 (このIDを非表示/違反報告)
和三盆糖(プロフ) - さちゃんさん» コメントいただいたのに直ぐに気付くことができず、お返事出来ておらず申し訳ございません。かなり時間が経ってしまったのでもう届かないかもしれませんが…閲覧、コメント誠にありがとうございます。どうにか完結まで頑張りますので、また遊びにいらして下さい。 (2021年6月6日 17時) (レス) id: 4f53f84ba0 (このIDを非表示/違反報告)
香織(プロフ) - 久々の更新ありがとうございます！とても気になる展開と安定の左馬刻さまっぷりで最高です。続きを楽しみにしてます！ (2021年6月5日 23時) (レス) id: be1cefb69b (このIDを非表示/違反報告)
さちゃん(プロフ) - とてもすきですT_T更新楽しみにしています>_< (2020年4月6日 1時) (レス) id: ffa613b322 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：和三盆糖 | 作成日時：2019年3月3日 19時
