14話 ページ16
にこにこ、ふわふわ、幸せそうにケーキを頬張るA。
店のことやチームのこと、今度の休みはどう過ごそうか、そんな取り留めのない会話をしながら、コーヒーを啜る。
割と、いやかなり、気分は良かった。
なのに、だ。
「！」
「…電話、ですか？」
「おう…」
誰だ、こんな時に。
ポケットに入れていた携帯が震え、ディスプレイを確認する。
「……」
「あの…どうぞ出て下さい。大切な要件かもしれません」
表示される、銃兎の名前。
Aとの時間を邪魔されたのは腹立たしいことこの上ないが、こいつがつまらない用事でわざわざ連絡してくる奴じゃないことも確かだ。
思わず、舌打ちを一つ。
あのうさポリ公…これでくだらないことだったら沈めてやる。
「悪ぃ、少し出る」
「はい、いってらっしゃいませ」
「いい子にしてろよ」
聞き分けよく返事をするA。
柔らかな髪をひと撫でし、席を立つ。
とりあえず開口一番で文句を言ってやろう。そう心に決め、苛立ちを隠すこともせずに通話に切り替えた。
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左馬刻さまが席を立ち、一人紅茶を啜る。
ケーキはとても美味しいし、紅茶も絶品。何より、甘いものが苦手な左馬刻さまがここのケーキは食べられると言った。
一緒に美味しいものを分かち合えて、とても嬉しい。
今日はショートケーキを食べたけど、もしまた機会があるなら他のものも試してみたい。
…左馬刻さまに、お願いしてみようかな、…でも、迷惑かな…
存分に甘えろと、私の我儘など大したことないと、あの人はそう言ってくれる。
それでもやっぱり、これ以上の幸せを望むなど罰当たりに思えてしまって。
「…私みたいなのが、左馬刻さまの隣にいられるだけで…奇跡みたいなものなのに」
あぁ、いけない、一度下向きなことを考えてしまうと中々抜け出せなくなる。
一人は、余計なことをぐるぐると考えてしまうから苦手だ。
マイナスな気持ちごと飲み込む様に、紅茶に口を付ける。
その時だった。
「あのぉ、ちょっといいですか」
突然声をかけてきた、二人組の若い女性。
笑顔とは裏腹に、その目に滲むのは明らかな負の感情。
あぁ、まずい、面倒なことになってしまった。
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和三盆糖(プロフ) - 香織さん» 閲覧、コメント誠にありがとうございます。ベタ甘な左馬刻さまが刺さったようで嬉しいです…!!マイペース更新にはなりますが、引き続きお楽しみいただけましたら幸いです。 (2021年6月6日 17時) (
レス) id: 4f53f84ba0 (このIDを非表示/違反報告)
和三盆糖(プロフ) - さちゃんさん» コメントいただいたのに直ぐに気付くことができず、お返事出来ておらず申し訳ございません。かなり時間が経ってしまったのでもう届かないかもしれませんが…閲覧、コメント誠にありがとうございます。どうにか完結まで頑張りますので、また遊びにいらして下さい。 (2021年6月6日 17時) (レス) id: 4f53f84ba0 (このIDを非表示/違反報告)
香織(プロフ) - 久々の更新ありがとうございます！とても気になる展開と安定の左馬刻さまっぷりで最高です。続きを楽しみにしてます！ (2021年6月5日 23時) (レス) id: be1cefb69b (このIDを非表示/違反報告)
さちゃん(プロフ) - とてもすきですT_T更新楽しみにしています>_< (2020年4月6日 1時) (レス) id: ffa613b322 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：和三盆糖 | 作成日時：2019年3月3日 19時
