F 15 ページ15
「……そのまま、身体に戻れば目覚めるんじゃね？」
『やってみたけど、無理なんだよね』
だから宮と渉が毎日って…。
「なんか…冷静だな、藤ヶ谷」
『んー…目覚めてさ、一応戻ろうと試みてダメだったんだ。
俺、死ぬのかなぁ？って、ちょっと他人事みたいに考えてさ。
…さっきまで色んな所、行ってた。
実家行って、
スタジオ行って、
友達のとこ行って、
…メンバーのとこも行ったけど、
呼んでも、誰も俺に気付いてくれなかった。
幽霊って、こんな感じなのかなって。
…で、此処に戻ったら、北山がいた』
北山に少し近付いてみる。
『北山には…気付いてほしかったから、今凄く嬉しい』
素直に…
素直になってみよう。
本当の俺で、会話したい。
いつも、作って冷たくしてた。
もう、そんなことしたくない。
素直に気持ちを伝えると、驚いてる。
そうだよね、そうなるよね。
北山がぎゅっと目を閉じて…開ける。
こんな俺なら、尚更幻覚だと思ってもしかたないよね。
「藤ヶ谷…」
『俺、此処にいるよ？
信じられないだろうけど』
「ごめん。
なんか……うん…」
『そりゃそうだよね、信じてってのが無理あるよね…』
「いや…
…悪ぃ」
そんな顔しないで。
北山は悪くなんてない。
「……戻る方法、なんか探さなきゃな」
『ん』
ひとりじゃなくなった。
北山がいてくれるなんて…
心強いよ、本当に。
こんな状況なのに、嬉しくてしかたない。
「とりあえずさ…帰ろっか」
『え？』
帰る？
「藤ヶ谷、此処にいなきゃマズい？
動けるなら…
…皆、気付いてくれないなら、淋しくねぇ？
うち、一緒に帰るかなって」
北山の提案に、キュンとした。
うちって…
北山の家に、一緒に？
『…行く』
「じゃ、帰ろっか」
『うん』
あり得ない展開に、心臓がバクバクする。
幽体離脱しても、心臓のバクバクってあるんだな…なんて思いながら。
「…付いてこれる？」
『うん』
「じゃあ、行くぞ」
ちらっと寝ている俺を見てから、
北山は俺を連れて、病室をあとにした。
.
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咲良(プロフ) - はっちみつさん» はっちみつさん、ありがとうございます。この流れって皆さんどう感じてるかなぁと不安だったので、コメントいただけると嬉しいです☆太くんの可愛さを感じて貰えたのが嬉しいです♪旅行も楽しみにしていてください☆ (2020年5月4日 8時) (
レス) id: d3822b71c4 (このIDを非表示/違反報告)
はっちみつ(プロフ) - はぁっ…線香花火良いですね。みっくんが優しくて、かっこ良くて、たいちゃんが可愛すぎる。2人の旅行楽しみですね。 横尾さんの動向も気になります！ (2020年5月4日 2時) (レス) id: 4caade0e16 (このIDを非表示/違反報告)
咲良(プロフ) - ピンクピーチさん» ピンクピーチさん、ありがとうございます！どう文章にしたらいいかなぁと幽体離脱の描き方に悩んでますが、頑張ります☆ (2019年12月30日 17時) (レス) id: d3822b71c4 (このIDを非表示/違反報告)
ピンクピーチ(プロフ) - 咲良さんの新作待ってましたよー！個人的にファンタジーテイストも全然あり派なので、更新楽しみに待ってますね^_^また来年遊びに参ります！ (2019年12月30日 16時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
咲良(プロフ) - 北山アマージョさん» 北山アマージョさん、コメントありがとうございます！今回ぶっ飛んだ発想なので、受け入れて貰えるか不安だったので、嬉しいです☆頑張りますので、宜しくお願いします♪ (2019年12月29日 7時) (レス) id: d3822b71c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：咲良
| 作成日時：2019年12月28日 13時
