それが嘘だと気付いたら ３

F 53 ページ2

「キングの顔がデレてるぞ」


収録までの待ち時間の楽屋。

わたが耳打ちしてきた。


「え？」


「か・お！」


と、頰を突かれる。


「みっちゃん見てニヤけてる。

最近、多すぎ」


え？！マジ？！


慌てて両頰を両手で覆った。


俺とわたはソファーでゆっくりしてて、

玉と宮は雑誌見てわちゃわちゃしてて、

北山は健永とニカと何やら大笑いしながら話してる。


あの輪に入りたいなぁ…って、北山見てただけなのに、


「…デレてた？」


「幸せオーラが出まくり。

みっちゃんと上手くいってんじゃん」


このこのぉ〜っと、わたがグリグリしてくる。


「へへっ」


確かにそうなんだよね。


北山とはかなり距離が縮んだと思う。


北山に一度抱かれてからは、

毎回抱かれてる。


当たり前のように、愛してくれる。


俺を求めてくれる。


それが嬉しくて嬉しくて、しかたない。


時々、見えない場所に付けられる赤い印。


こんなの付ける意味わかんなかったけど、
北山に付けてもらえると、
俺って北山のモノなんだって
嬉しくてたまらなくなる。


「…かっこいいんだよね」


「乙女太輔だもんな」


「悪い？」


「キングが実は乙女って、ファンが知ったら泣くよ？」


「乙女だから、ファンの気持ちがわかるんじゃん」


わたは面白そうに笑ってる。


しかたないよ。


本当にそうなんだから。


北山を見てると乙女思考になる。


好きで好きで…

離れたくない。




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