花火 ページ9
ドオン、と腹に響く音と共に空に光の花が咲く。
それに気付いた彼女は勢いよく振り返ってあ、と叫んだ。
「もう始まった!早く行こ!」
そう言って駆けていく背を追って走る。
見晴らしの良い場所まで来て、漸く息をついた。
「何も走らなくても」
軽く息を整えながら、先に着いていた彼女を見る。
走ったせいで髪は乱れ、肩で息をしていた。
「折角なんだからちゃんと見たい」
手櫛で髪を整えながら言う彼女の瞳には色取り取りの光が映っている。
「やっぱり屋台はほどほどにしたほうが良かったんじゃない?」
あれだけ止めたのに、と彼女の手にある沢山の屋台料理を見て溜め息混じりに言う。
「だって、どれも美味しそうなんだもん」
少しむくれたように言う彼女が可愛らしい。
視線を花火へと移す。
「綺麗だね」
どちらともなく放ったその言葉は、人のざわめきと花火の音に紛れて消えた。
─花火─END
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八重(プロフ) - カシオペアさん» ありがとうございます!!まさかこっちまで読んで頂けるとは……その上コメントまで……本当に感謝します(*/□\*)上手なんて、恐縮です……(でも嬉しい)頑張ります!ありがとうございます!本当に!!! (2017年7月3日 21時) (レス) id: e19e44ac0b (このIDを非表示/違反報告)
カシオペア - ヒロアカの方を読んだので、こちらものぞいてみましたが本当に文を書くのが上手なんですね。一つ一つが短くて読みやすいです。更新、頑張ってください! (2017年7月3日 20時) (レス) id: 972c361b83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:八重 | 作成日時:2017年4月24日 2時