検索窓
今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:3,043 hit

闇夜の殺人鬼 ページ2

「待って、話せば分かるわ!」

暗い路地裏に女の甲高い声が響く。

「悪かったと思ってるの!」

必死に言い募る女に一歩、近付く。

「ああ、ごめんなさい」

どうか、命だけは。
プライドも何もかも捨てて、命乞いをする。その姿に口元が歪む。

「ダメ。もう、遅いよ」

女に身の丈ほどもある大きな鎌を降り下ろす。

「ひっ」

ザシュ、と小気味の良い音を立てて血飛沫が上がる。頬に返り血が付いた。

「あは」

ゆっくりと倒れていく女の体を眺めていると自然と声が漏れた。

「ははははは!!」

ああ、やっぱり。生きようとするその姿は哀れながらも美しい。

その先にある不幸に気付かずに今ある幸せに浸っているその姿は滑稽で。
ドン底に突き落としたときに見せるその表情は素晴らしく、狂おしい程に愛しい。


次の標的を探すためふらりと路地裏を出た。



月夜に照らされるその姿を見たものは生きては帰れない。




─闇夜の殺人鬼─END

幸せの喫茶店→←夢屋



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 6.8/10 (9 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
設定タグ:短編集
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

八重(プロフ) - カシオペアさん» ありがとうございます!!まさかこっちまで読んで頂けるとは……その上コメントまで……本当に感謝します(*/□\*)上手なんて、恐縮です……(でも嬉しい)頑張ります!ありがとうございます!本当に!!! (2017年7月3日 21時) (レス) id: e19e44ac0b (このIDを非表示/違反報告)
カシオペア - ヒロアカの方を読んだので、こちらものぞいてみましたが本当に文を書くのが上手なんですね。一つ一つが短くて読みやすいです。更新、頑張ってください! (2017年7月3日 20時) (レス) id: 972c361b83 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:八重 | 作成日時:2017年4月24日 2時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。