ただ君が可愛いだけ

本音は子供 ページ21

神山side

寒くて目が覚めた。

「んぅ、」

体を起こすと襲ってくる倦怠感、頭痛。

悪くなっとる…


「誰かおらんの…？」

不安になって、人恋しくて、涙が溢れてきた。

「うぅ、なんで誰もおらんのっ、！」

ガチャ

照「もんち、起きとったん？ごめんなぁ、気付かへんかった」

「照史くんっ、ここにおってよっ、」

照「どしたん、そない泣いてぇ、」

「泣いてへんもん、ｸﾞｽﾞｯ」

照「ここにおるの俺だけやから、今日くらいはたくさん甘えてくれてええんやで？」

「のんちゃんは？淳太くんと、濱ちゃんもおらんの？」

照「おん。おらんよ。」

「…じゃあ照史くん独り占めできるねんな。」

なんか嬉しくて、抱きついてしまった。

照「せやで。もんちだけの照史や」

「…嬉しいな、なんか。」

照「なんか、さっきっから、もんちかわいいなぁ？(笑)」

「そんなことない、いつもどおりや。」

照「あとな、熱上がっとんねんな。1回計ってや」

「いやや。病は気からっていうやろ？」

照「ちゃう。病は病や。認めてや(笑)」

「なんでやぁ、」

あーだこーだ言ってるうちに体温計を挟まれた。


「ないでぇ、どうせないで、」

照「ならええやん。」

ﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟ

照「もんち、残念。」

38.5

「まぁまぁやん。俺平熱高いねん。」

照「強がんなや(笑)」

「…俺やっぱ体弱いねんかな。やって、のんちゃんと一緒にいただけやったのに、なんで、こんなに熱出てまうんやろ…」

照「気は病から。今は深く考えんておこうや。」

「…照史くんさっきと言うてることちゃう。」

照「細かいこと気にせんでええの。」

“とっとと寝や”って言って俺をまたベッドに寝かせた。

頭を撫でられてると、だんだんと眠たくなってきた。

「…あんなぁ、あきとくん、」

照「ん？」

今なら、いつも思ってることを言える気がした。

「おれな、ほんとは、みんなに甘えたい、ねん、」

照「甘えてええんよ？」

「でも、俺のキャラ、ちゃうやん、？」

照「…キャラなんてどうでもええねん。メンバーからしてみれば、もんちはもんちや。作る必要なんてないねんで。」


「…あーがと、」

照史くんの“不器用やな”っていう呆れたような優しいような暖かい声を聞きながら俺は眠りについた。

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