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炎上15※ ページ17

「彼女とは、別れます」

「「・・・は??」」

彼がそう言った瞬間、私とお兄ちゃんの声が重なった。

今彼の言った事が信じられなくて、金縛りにあったかのように、私はただただ彼に視線を送って固まる事しかできなかった。

先に金縛り(?)から解放されたお兄ちゃんは、彼氏に向かって勝ち誇ったような笑みを浮かべた。

「そーかそーか。お前のAへの愛はそんなものだったんだな!!」

私は彼が好きだったから、お兄ちゃんの事とか気にせず、気を使わず、私と一緒にいてほしかった。

お兄ちゃんが何を言っても、「それでも僕は・・・」とか言って必死に食らいついてほしかった。

なのに。

そんな私の気持ちは、今、此処で、踏み躙られたのか?

お兄ちゃんに邪魔をされたとは言え、そんな事で食い下がらないでほしかった。

改めてそれを実感すると、悲しくて、涙がポロポロと溢れて来た。

それを見た彼は心底苦しそうな、悲しそうな顔をして、「・・・ごめん」と呟いた。

私が泣いているのを見て、お兄ちゃんは笑みを消し、真面目な顔をして彼氏の方を向いた。

「・・・あのなぁ、彼氏くん。本当に心から此奴を愛してるんだったら、俺なんか気にせず此奴のことだけを考えて発言しろよ?」

「・・・僕がいても、彼女には迷惑がかかるので」

「_____は?迷惑?馬鹿じゃねぇの?」

聞いた事のないお兄ちゃんの低い声に、私と彼は肩を震わせた。

こんなに怒ってるお兄ちゃん、見た事がない。

「Aは、心底お前に惚れてたんだぞ。それくらい見たら分かった。なのにお前は、俺に気を遣ったのかしらねぇが、此奴をこの場でフった。それはな、兄としては侮辱以外の何者でもねぇんだよ」

「大好きな妹が!!!世界一大切な妹が!!!!!大好きな相手に目の前で振られんの見る方が迷惑なんだよ!!!!!!」

その言葉、言い方、圧。全てから、お兄ちゃんは私を思って、そして、彼のことを思って怒っている事が確かに分かった。

「お前が此奴の事を好きなのも、見たら分かった!!!だからお前にだったら、此奴をあげていいかもとか、ちょっとくらい思ってたんだよ本当は!!!!」

「だから、俺らがあんな会話してる中でも、Aとの事を認めてほしいとかなんとか言って貰いたかったんだよ俺は!!!!!!」

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ちょこ2(パソコン変わりました≪元ID 5ad0b4ef6a≫)) - 更新が止まってます!戻ってきてください!続き楽しみにまってます!(´;ω;`) (5月24日 21時) (レス) id: c7ac99c812 (このIDを非表示/違反報告)
後藤絵里(プロフ) - やばい番外編が荒んだ心に染み渡る…明日からまた頑張ろうと思いました!(まだ学生のはずなのに社畜みたいなこと言っとる…)本編もめっちゃ楽しませて頂いてます!続き楽しみに待ってるので無理のない範囲で更新続けて頂ければ嬉しいです! (2022年7月28日 22時) (レス) @page39 id: 1a5db0f276 (このIDを非表示/違反報告)
*ゆうらまる*(プロフ) - 凄い面白いです!おもてきつねってよく出てきましたね(上から目線ですいません)頑張ってください! (2022年7月28日 17時) (レス) @page37 id: 394490a509 (このIDを非表示/違反報告)
ゆな - すごく面白いです!大変だと思いますが、主さんのペースで更新頑張ってください! (2021年11月30日 14時) (レス) @page34 id: 6f49e0674a (このIDを非表示/違反報告)
紅葉 - 小鳥→子鳥になっています。 (2021年11月23日 11時) (レス) @page22 id: 638d4ee57e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いのしし侍。 | 作者ホームページ:!?  
作成日時:2020年9月17日 14時

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