友達の友達5 ページ6
青柳 冬弥。
正直に言うと、私は彼が苦手だ。
表情筋がほんとにあるのか疑わしいレベルで表情が変わらないし、そのせいかすごく冷たい目で見られている気がするし、なんだか全体的に怖い。
怖い男の人は嫌いだ。あの頃を思い出す。
だからあの頃みたいに、私は苦手だと思った男の人のことは苗字で呼ぶことにしている。
青柳くんも、今は東雲くんも、少し怖い。
昔の東雲くんは、大好きだった。でもそれは、猫を被っている偽りの東雲くんの話。
最初出会った時は、とても物腰の柔らかな人で、紳士で、柔らかい、温かい雰囲気があった。
だからこの人なら大丈夫、って思ったんだけど。
ある日彼の素を見てしまってから、どうしても苦手で。
だけど東雲くんと仲良く話せるのは、きっと彼が猫を被っていた時と何も変わらず接してくれているからだと思う。
東雲くんには、ちゃんと事情を話した上で、本当の彼と関わってる。
「・・・俺が安心させてやる、か・・・」
東雲くんに言われた言葉。今でも覚えてる。
私はその言葉を信じてて、その時を待ってるし、少しずつ克服してきた気もする。けど
「・・・青柳さんと関わらなきゃいけなくなっちゃうのかもね・・・」
東雲くん以外は、無理かもしれない。
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