甘いそれ ページ8
怖い？こわい？コワイ？
僕にはその言葉が理解できなかった。
「何がやねん」
「逆に、この広い御屋敷のこの広い部屋を真っ暗にして寝る事が怖くないんですか？」
「全然怖くないわぁ、お子ちゃまか」
「……寝るまで一緒にいてください」
「はぁ？」
「私、怖いの苦手なんです、だから…その……」
そんなに言いたくないのか、少し顔を赤くさせながら言葉を濁らせていた。
早く次の言葉が欲しくて、彼女が焦れったくて。
「私、の傍に、…居てくれない、ですか、」
未完成な敬語を途切れ途切れに言う彼女は手が震えていた。
「……しゃーなしやで」
「やった、」
「ただし！……お礼に、血、飲ませてや」
意地悪してみたくなって、つい声に乗せてしまった。
彼女は一瞬驚いた表情を浮かべたけど、「少しなら、」と俺の目を見据えて答えた。
さっき、血の匂いだけであんなにくらくらしたんだ。
絶対美味いに決まってる。
「……言うたからな？逃げるのはなしですよ、」
「っ、はい、」
ベッドに彼女を押し倒して着ていたシャツのボタンを2つ外した。
見られるのが嫌なのか、彼女は目を逸らしていた。
鎖骨辺りを見ると、目に映るのは痛々しい痣。
玄関で見たものはやっぱり痣だった。
でも気付かないふりをして真珠の肌を舐めてみる。
「ｯひ、」
「……なかなかえぇ声だすんやね」
「う、るさぃ」
口を抑えるその手を掴んで離させた。
「声、聞かせてや」
ﾂ…、と牙を肌に当てる。
相手の様子を伺いながら、牙を奥に刺して行った。
「っい”…、ふ、ぁ、…」
甘い声が漏れてそれが耳に入る度に唆られる。
ｼﾞｭﾙ､と血を飲む音が出ると肩に力が入っているのか分かった。
「力、抜きぃや」
「ゃ、ぁ、ふぅ…はぁ、ｯ……」
息がだんだん乱れてきた彼女を横目に血を吸っていた。
甘くて、美味くて、僕好みの味だった。
そろそろやばいかも、と思った時にはもう遅くて。
牙を抜いて肌に付いた血を舐めとった。
何故かクローゼットに入っていた大きな白いシャツを彼女に着せた。
彼女を持ち上げるとすごく軽くて、ろくにご飯なんて食べていなさそうで。
布団を被せて部屋の電気を消した。
「……いい夢見ぃや。」
今夜は出来事が多すぎて寝られそうにないです。
〜sen side end〜
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ての(プロフ) - Naoさん» ありがとうございます！頑張りますね、！ (2019年11月21日 22時) (
レス) id: 8747774e09 (このIDを非表示/違反報告)
Nao(プロフ) - 今までのアルバムのソロ曲の歌詞が出てきて、その歌詞のおかげでどんな状態なのかもよくわかって、すごく読みやすいし、面白いです！更新頑張ってください！応援してます！ (2019年11月21日 16時) (レス) id: b92cb2f456 (このIDを非表示/違反報告)
ての(プロフ) - ミトさん» 嬉しいです！ありがとうございます！ (2019年11月18日 23時) (レス) id: 8747774e09 (このIDを非表示/違反報告)
ミト - 初コメ失礼します。 読んでいて、すごく面白かったです!続き楽しみにしてます。 (2019年11月18日 23時) (レス) id: d0ac5e5cac (このIDを非表示/違反報告)
ての(プロフ) - Naoさん» 気づいて頂けて嬉しいです、ありがとうございます！ (2019年11月18日 22時) (レス) id: 8747774e09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ての | 作成日時：2019年11月17日 21時
