終わりと始まりは突然に ページ1
もし、人生をやり直せるなら。
もしもボックスなんか持ってないけれど、時折、そんなことを考える。
あの時ああしていれば、こんな社畜人生には首を突っ込まなかったかもしれない。
あの時こうしていれば、今頃はイケメンな旦那様とハネムーンにでも……いや、それはないな。ちょっと驕りすぎたね。
兎にも角にも、人生の半分も生きていないのに、後悔と諦念ばかりが付きまとう今の自分に嫌気がささない時はない。いっそ私じゃない誰かに生まれ変わりたいところだ。
こうして家に帰ったところで娯楽なんてものもありはしない。
「お風呂にする？ご飯にする？それとも私？」なんて言ってくれる人は待ってはいない。というか私はやる側だった。それはそれで虚しいな……。
一瞬ズキンと頭痛がして、立ち止まってからすぐにまた歩き出す。
無機質に夜道を照らす街灯の下を通る。あの白い光に照らされると、病院にでもいるような心地になるのは私だけではないはずだ。でも目を眩ますようなこの冷たい光は、意外と嫌いじゃない。
憔悴した心境で、とぼとぼと夜道を歩き続ける。こんな時間になると人通りもぱたりと絶えているせいか、一層孤独感がかきたてられる。いつもは賑やかな街道の喧騒も、今では忽然と姿を消していた。
しばらくすると横断歩道に辿り着き、ここから家までの距離を漠然と考えながら、その信号が赤から青に変わるのをじっと待つ。
やがて信号が青に変わり、再び歩き出す───その数歩目のことだった。
『……？』
視界が眩む。手足が痺れるような感覚がして、膝に打つような痛みが走ったかと思えば、気付けば地面がすぐそこにあった。声を発そうにも呂律が回らず、ただゼェゼェと乱れた息がこぼれるだけだ。
────これはヤバイかも。そう思った時にはもう既に、視界は闇に包まれていた。
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AG2(プロフ) - うぇさん» ありがとうございます！可哀想は可愛いの裏返しですからね❤︎ (2022年8月30日 13時) (
レス) id: 824802fbf5 (このIDを非表示/違反報告)
うぇ - 主人公…、強く生きろよ…いや好きですけど好き！！！ (2022年8月29日 17時) (レス) @page49 id: c9b27d8eb7 (このIDを非表示/違反報告)
AG2(プロフ) - ニアさん» ありがとうございます！やっぱり幸せなだけじゃ物足りないですよね^ ^これからもじゃんじゃん不幸にしていきます！！ (2022年8月24日 7時) (レス) id: 824802fbf5 (このIDを非表示/違反報告)
ニア - これは主人公が幸せになろうとする度に不幸が襲ってくるパターンのタイプだ……リゲルが死んだところでちょっと泣いちゃった...とても面白くて読みやすい小説でした！！！ (2022年8月23日 23時) (レス) id: 6103ddda9f (このIDを非表示/違反報告)
AG2(プロフ) - おこげさん» ありがとうございます！これからもどんどん主人公を可哀想な目に合わせていきます！頑張ります！ (2022年8月18日 10時) (レス) id: 824802fbf5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハラマゲオ | 作成日時：2022年8月6日 23時
