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黄「A先輩っ！」
とある夏の日の夜7時。
貴「ん？」
青「1年の時の虹村さんって、ヤンキーだったってマジすか！？」
貴「えぇ、あぁ…」
ちらりと虹村の方を見ると、
久保田と関口に抑えられ暴れていた。
黄「久保田先輩達に聞いたら虹村先輩、教えたらシバく！って言ってたんでA先輩なら手出せねーかなって思って！」
虹「A〜っ！！」
虹村の怒りの混ざった叫びが聞こえる。
青「で、どうなんすか？」
目をキラキラと輝かせる青峰と黄瀬。
貴「ん〜、虹村が嫌がってるなら教えられないなぁ」
黄「えー！つまんねぇっス！」
青「じゃあ誰に聞きゃいいんだよ〜」
ぶうぶう駄々をこねる2人を他所目に、
帰路につこうとした。
貴「ほら虹村帰ろ」
虹「お、おう」
私が教えると思っていたのか、
少し驚いたような虹村。
黄「えー！！マジで帰っちゃうんスかぁ！」
整った顔で目をうるつかせる黄瀬。
貴「ごめんね、金髪でバイク乗り回して喧嘩しまくってたなんてとてもじゃないけど言えないの、じゃあお疲れ」
虹「おい！！」
体育館からはお疲れ様でーす、マジかよ！！、ヤベぇ！！！、といった声と爆笑が聞こえてきた。
虹「Aテメェ…」
私の顔を睨みつける虹村。
貴「ふふ、ごめんね」
後輩達や同級生達は
この顔が怖いのかもしれないけど
これ以上何もないことをわかっている私には
猫が毛繕いをしているようなものだ。
なんにもこわくない。
虹「お前自分の武器知り尽くしてるとこムカつく」
虹村はまあいいけど、とため息をついた。
貴「今の虹村かっこいいからいいじゃん」
虹「そういうとこだろ」
貴「まぁまぁ、校門で待ってるね」
虹村の方が、先に校門に着いていた。
貴「お待たせ」
虹「おう、じゃあ行くか」
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作者名：夢莉 | 作成日時：2019年8月14日 16時
