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部活の引退式後、私だけ赤司に呼ばれた。

赤「Aさん、ちょっといいですか」

貴「ん、なあに?」

赤「あまり色んな人に聞かれては困るので」

そう言って私の手を引いて部室棟までやって来た。

こんな人気のない所でする話なんて、どんな話なんだろう。

部室に入ると、キセキの世代と黒子がいた。

赤「今までAさんには沢山お世話になったので、何かお礼がさせて頂けないかと思いまして」

貴「え、なに改まって。そんなのいいよ」

赤「明日から2日間、旅行に行きましょう」

貴「へ」

旅行?

黄「あれ、あんま驚かないんスね」

貴「君たちいつも突拍子ないからちょっとやそっとじゃ驚かないよ」

紫「サプライズ失敗じゃん」

青「サプライズはこれからだろ」

貴「え、なに?」

青「俺らと、Aさんと、虹村さんで行くんだよ」

え?

貴「虹村だけ?」

黄「なーにとぼけてんスか!今までマジでA先輩にはお世話になったから、ちょっとお手伝いさせてくださいっス!」

黒「余計なお世話じゃないといいんですが」

貴「え、いやいや全然そんなことないよ、うれしい」

大好きな後輩と、虹村と旅行に行くなんて
どれだけ幸せなことなんだろうか。

紫「俺ら的には引退するまでにくっついて欲しかったけどね〜」

緑「ボーナスステージなのだよ」

貴「虹村には言ったの?」

赤「お父さんのこともあるので早めに伝えています」

貴「じゃあ虹村は知ってるんだ?」

黒「サプライズしたいんです、って言ったら嬉しそうにしてました」

___そっか。

貴「ありがとう、みんな」

コンコンッ

桃「失礼しま〜す、あ、ほらAさんいますよ、虹村さん!」

虹「お、A帰るぞ、つかお前らこんなとこにいたのかよ」

緑「例の件でして」

虹「あぁ、どうだったこいつ?」

青「全然驚いてませんでした」

虹「はは、だろうなァ」

貴「ごめんね」

赤「では、明日の要項はすぐに連絡しますね」

貴「あ、うん、よろしく!」

じゃあね、と言うと
お疲れ様でーす、と声が聞こえた。

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作者名:夢莉 | 作成日時:2019年8月14日 16時

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