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確かに、飯野の言っていることは一理ある。
俺達は本当に面白い動画を作りたくて集まっているし、
動画制作には全員並々ならぬ思いで取り組んでいる。
でも、事務所に所属するとなれば、
自分たちがやりたいことだけをやる、なんて道理はまかり通らないとも思う。
世の中、需要と供給だ。
俺らがこれをやりたいと言えば、向こうが求める何かをやる必要がある。
その為には“妥協”することも一つの判断だと思うが、
意外と飯野はそういうことに反発しやすい。
―――そんなことをゆるりと回想しながら編集作業をしていると、
スタジオのインターホンが鳴った。
インターホンに対応した岩田と一緒に入ってきたのは、
50代ぐらいのオヤジと俺らより少し上ぐらいの女。
岩田はどうやら50のオヤジとは会ったことがあるようで、
柔らかい空気で会話をしていた。
その隣で女はキョロキョロとスタジオを見渡している。
まあ確かに、男だらけのこの空間でこの部屋だ。
気になるのも仕方がない。
初対面で目が合うのも気まずく、
俺はすぐに編集画面に視線を移した。
その後は岩田の一声でみんなそれぞれ作業の手を止め、デスクに揃う。
オヤジが優しい口調で、でもどこかで油断したら飲み込まれそうな、
そんな雰囲気をまとう話し方で会話を進めていく。
その会話の流れで、女の紹介に移り、
動画制作に興味があったという発言にいち早く反応したのは飯野だった。
今までの作業の疲れもあってか、
普段からクールな飯野がさらに今日はそこに棘の一面もあったせいで、
女の言葉にチクリと横やりをいれていく。
一瞬にして空気が張り詰めた中で、
いつもこういう時に場をなだめるのは岩田か俺の担当。
初対面ながら、少し女が不憫に思えて、口火をきったのは俺だった。
その後は淡々と業務の話や、契約内容についての話を進めていく。
事務所の人間がスタジオを後にし、俺は飯野が居る喫煙所へとすぐに足を運んだ。
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左右 - 凄く読みやすく、話の展開が面白いです！更新たのしみに待っています。^_^ (1月4日 0時) (
レス) id: 19deca591e (このIDを非表示/違反報告)
zx2to5(プロフ) - とても読みやすくて面白い作品ですね！大変かと思いますが更新心待ちにしております。 (2020年10月22日 22時) (レス) id: 6bc55a23b1 (このIDを非表示/違反報告)
つばめ(プロフ) - 日和さん» 日和さま、ありがとうございます！更新頻度遅めですが、結末迎えられるように気長に頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いします。 (2020年10月11日 2時) (レス) id: 02f4987028 (このIDを非表示/違反報告)
つばめ(プロフ) - まぐろさん» 返信が大変遅くなってすみません…。ありがとうございます！励みになります(涙)更新頻度かなり遅いですが、気長に続けていこうと思っていますので、末永く見守ってくださいませ。 (2020年10月11日 2時) (レス) id: 02f4987028 (このIDを非表示/違反報告)
まぐろ - だいにの小説の中で一番面白いです！更新これからもよろしくお願いします (2020年1月26日 23時) (レス) id: 0e8d144820 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つばめ | 作成日時：2020年1月1日 0時
