引き立て役の私だって主人公になりたいとか思ったけど夏終わるし諦めよう。

7.反撃 ページ7

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今日は授業終了がいつもより早いため、そそくさと準備して帰る。

俯いて人の群れを避けながら行く理由はひとつだけ。



"あいつら"に会わないためだ。




でも、必死に俯いてたのも無駄で、速攻私だとバレて話しかけられる。

内容なんて決まってて






「あの可愛ええ女の子と、いつも一緒におる子よな？」

「あの子って……今彼氏おったりする？」






ほらね。

いつも通り、これだ。






『すいません、今その子と仲良くないんで……』


「ええっ……紹介するだけでええからさ！お願い！会わせてくれへん？」


『だから、その子ともう仲良くないって、』


「紹介するぐらいできるやろ！」






鬱陶しい。

女の"もう仲良くないんで"は、"もう友達じゃないんで"と同じ意味だから。



それに、私に頼るんじゃなくて男なら自分から攻めろよ。

なんで私なの？

いつも隣にいたから？使えるって思ったから？私に話しかけて紹介してもらえば、付き合えるとか思ってるから？




ふざけんな。その顔面で。

鏡見直してこい。






『……はあ、うるっさいなあ……』


「は？」


『そんなんだから彼女1人もできねーんだよ。顔面と、性格、行動、全て見直してこい！！』






持ってた重い鞄を、相手の腹に投げつける。

そのまま床に落ちた鞄を拾い上げ、ほんの気持ちとして、ぺこりと頭を下げて横を通る。



相手はもちろん、周りにいた関係ない人も驚いてて。

この状況に理解した"あいつ"は、後ろからガミガミと私に怒鳴っていた。




けど、私は耳をイヤホンで塞いで、音量MAXで現実逃避。

これで何を言われたって、あいつが自分から行こうとしないのと、紹介してもらえば付き合えるとか思ってる勘違いな行動。



そして、何より顔面。



何をどう見て自信がついて、私の美人の元友達に紹介しろだボケ。







『ふざけんなっつーの』






ぼそりと呟いたと思った声は、音量MAXのせいでか、割と大きく言葉にしていた。

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