ストロベリーの香りが重岡くんだと知ったら、推しになった。

46.ちょっと甘いストロベリー ページ46

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「おめっと」






手を繋いで、大胆にも、大毅くんから指を絡めて来て1年に戻ると、1組の前で待ってたのは小瀧と流星くん。


私たちを見るなり"おめでとう"と言い、流星くんは"しげが大人になった……"と感激してる。






『ありがとう、……えっと、小瀧、』


「あーせやった、うん、なに？」


『えっと、』


「そんな緊張せんでええよ。結果は丸見えやから」






でも小瀧、

小瀧のおかげで、いろいろ頑張れたよ。


あの時、瀬良ならできるって言ってくれてありがとう。

おかげでこんなに大成功したよ、文化祭。



前へ出る1歩をくれたのは、小瀧だから。

幼なじみ、腐れ縁ってやつ、


私はそんな小瀧が、大事だし、大好き。






『ごめんね、私は、大毅くんが好きだから』


「おん。まあ、これからも幼なじみとして」


『腐れ縁としてね』






横を見れば、ぷくっと顔を膨らませてる大毅くん。

"長い"なんて怒る大毅くんに、"これぐらい許せや、幼なじみなんやし"って余裕そうに笑う小瀧。


そんな小瀧に、流星くんは、

"今日は俺の奢りでやけ酒だ"なんてわけのわからないことを言ってて。




"まだ俺たち未成年やで、捕まるやめろ"って通常通り、正確なツッコミを入れていた。






「なあ、A？」


『ん？』


「ストロベリーの香り、あれほんまは、あの日だけ付けていこうとした香水やねんで」


『えっ、そうなの？……でも、何で毎日つけてたの？』


「つけてれば、また会えると思って」






今知られる真実は、衝撃的。

でも、私と大毅くんが繋ぐ、出会いのひとつだったストロベリーの香り。






『これからも拝ませていただきます』


「これからは推しやなくて彼女としてな？」


『……ふふ、うんっ』






ふわっと香ったストロベリーの香りは、ちょっぴり甘かった。







End.

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