18.どういうこと? ページ18
*
『おお、よかった、ちょうどいい所に』
「まずお疲れとかないん?」
『ない。あれは小瀧が悪いから』
「バレるとは思わへんやん?」
んー、っと体を伸ばしてる所を、すかさずさっきの頼まれたことを話す。
"なんか可愛らしい女の子が、今、屋上来てほしいって言ってたよ"って伝えると、
ゆる、っとした顔は、きりっとして、眉間にシワを寄せていた。
「なん、瀬良が頼まれたん?言えって」
『まあ、なんか圧がすごかったから』
「断らんかったの?」
『断る権利私にないでしょ。何で小瀧に用なのに幼なじみ、腐れ縁の私が無断に断るの?』
"とりあえず行ってきなよ、なにか大事な用かもよ?"って弁当持って5組に向かおうとした時、パッと腕を掴まれて、
"お前はなんか、こういう状況でモヤモヤってせーへんの?"ってわけのわからないことを聞かれる。
だから首を傾げて、"なんのこと?"って言うと、諦めたように腕を離した。
「……ん、行ってくるわ」
『行ってらっしゃい。予鈴鳴るまで5組にいるから、時間あったら来てね』
「おう」
なにか吹っ切れたように、呆れたように、どこか悲しげに私の横を通り過ぎ、屋上へ続く廊下を歩いていく。
私は早く推し様を見たいがあまり、5組までダッシュ。
ひょこっと5組の教室に顔を出すと、ぱぁあっとわかりやすく顔を明るくした流星くんが、こっちに近寄ってきた。
「遅かったやん」
『まあね。色々理由があって』
「あれ、望は?」
『遅れた理由それ。小瀧が女の子に呼び出されてさ、屋上行ってるから今日は来れるかわかんないよ』
「えっ、ほんま?」
驚く流星くんに、やっぱりわかんない私。
黒髪くんが座る所まで行くと、後ろからとてとてついてくる流星くんは
"あいつもモテるなぁ"って呟く。
それに、え?どういうこと?って反応すれば
これまた、まじか、って驚いた。
「呼び出しってことは、絶対告白やで?」
『え、うそ』
「え、まさかわからんかったん?」
『知らなかった、』
「まさか瀬良ちゃんって、鈍感?」
『んなわけっ!』
告白……告白か。
女の子もどこか小瀧の名前だけで照れてたし、そのせいか。
どこか辻褄があってスッキリするけど、さっきの小瀧の言葉にはスッキリできなかった。
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ぽてとふらい。(プロフ) - ちぃのすけさん» コメントありがとうございます!1番…!その言葉だけでもう本当に嬉しいです…!これからも沢山お話を届けられるよう、めっちゃ頑張ります!次回作もよろしくお願いします! (2019年8月26日 22時) (レス) id: 9d94f1b87d (このIDを非表示/違反報告)
ぽてとふらい。(プロフ) - 凜憧さん» ありがとうー!なんかこれ書く前にこんな感じの実際にあって…笑 書きたくなって書いちゃった。凜憧も大変な時期に入るだろうけど、無理しないでね。慌てなくても大丈夫だから。私も二学期から本気出すぞーっ!笑 (2019年8月26日 22時) (レス) id: 9d94f1b87d (このIDを非表示/違反報告)
ちぃのすけ(プロフ) - 完結おめでとうございます!!自分が今まで見たお話の中で一番大好きなお話でした。最後の重岡くんにめちゃめちゃキュンキュンしつつ、にやけを隠すのに必死でした(笑) こんなめちゃめちゃ素敵なお話に出会えて本当に良かったです。次回の新作楽しみにしてます! (2019年8月26日 19時) (レス) id: d270165aa7 (このIDを非表示/違反報告)
凜憧(プロフ) - 完結おめでとう!いつも以上に最後の言葉がグッときて、今、前向きになろうって少しずつ状況を変えてるときだったから余計に響いて、なんかもう泣きそうになった。毎回のようにぽてには元気をもらってるし、勇気をもらってる。すごいなって改めて思った。更新お疲れ様! (2019年8月26日 19時) (レス) id: f3cbf63448 (このIDを非表示/違反報告)
ぽてとふらい。(プロフ) - しげつぐ。さん» そう?なんか、伝えたいことたくさんでごちゃごちゃになってしまったけど…ちゃんと私の言葉、届いてたのならよかった。うん!新作もまた頑張るね! (2019年8月26日 1時) (レス) id: 9d94f1b87d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽてとふらい。 | 作成日時:2019年8月7日 10時