8.誕生日おめでとう ページ8
＊
沢山話して、沢山遊んで、私の家の前まで着くと、名残惜しそうに私の手を離した望。
「あぁ……今日が終わらなければええのに」
『うん、私も、そう思う』
"でも、望、最後に聞いて？"
今日、ずっと言ってなかったこと。
この時のために言わないでおいたこと。
心臓がドキドキと早く動いて、苦しくて。
でも、伝えなきゃ、今日伝えなきゃ意味ないから。
ゆっくり、落ち着いて。
望なら、最後まで聞いてくれる。
『お誕生日、おめでとう』
そう言うと、望は照れたように笑う。
『生まれてきてくれて、私と出会ってくれて、私を好きになってくれて、ありがとう』
「へへ、直接言われると恥ずいわ」
『私も、今、めっちゃ頑張ってる』
「ふふ、ゆっくりでええよ」
『うんっ、……』
『望、私なんかより経験豊富で、手繋ぐこととかキスとか話し方とか、すごく上手で。他の子なんかと比べたら、今日のデートなんて、しょぼいのかもしれない……けど、』
『わっ、私は、望のこと、きっと誰よりも好きだから！……その、うまく、言えないけど』
"望、大好きだよ"
その言葉は、遮られるように勢いよく真っ正面から抱きしめられる。
『へっ！？』
「しょぼくなんかあらへん」
『へ、』
「上手なんかじゃ、あらへんで」
『えっ、？』
「Aやから、頑張れることやねん」
耳の近くから聞こえる望の声は、甘ったるくて。
それでもこの声が好きだなんて、重症かな。
「今日Aが、俺のために沢山頑張ってくれたこと知ってる。頑張るA、めっちゃ可愛かったから」
『なっ、可愛い禁止って、』
「可愛ええって言わんと、気済まないねん。ほんまに今日……可愛すぎる」
"俺のためにおしゃれしてきたんやろ？"
"俺のために素直になってくれたんやろ？"
私の慣れないところ、全部わかってくれていた。
それで、望も……リードしてくれたんだ。
「俺の彼女になってくれてありがとう」
『こっ、こちらこそっ……』
「好きやで、大好きや」
さらにぎゅっと力を入れる望に、私も、その大きな背中に腕を回して抱きしめる。
好き。
その一言を、表すように。
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ぽてとふらい。(プロフ) - 凜憧さん» んへへ 笑 私のつける題名って癖強いからなぁ 笑 気づいてくれてありがとう(*´ч ` *) そう言って貰えてくれしい！ありがとーう！！ (2019年7月30日 11時) (
レス) id: 9d94f1b87d (このIDを非表示/違反報告)
凜憧(プロフ) - 題名を見てぽての作品って分かった私を褒めてほしい…笑 番外編めっちゃ良かったよ！ (2019年7月30日 10時) (レス) id: f3cbf63448 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽてとふらい。
| 作成日時：2019年7月30日 0時
