33.距離感 ページ33
＊
「流星、A」
後ろから聞こえてきた声の主は神山さんで、ゆっくりゆっくり私たちの方へ近づくと、"あのなぁ"と口を開いた。
「ここ、俺ん家のマンション前やねんけど。あと、外ってこと忘れんといて？アホなん？」
何を言われるかと思えばそんなことで、抱きしめられてることについては全く触れなかった。
藤井さんは私を名残惜しそうに離し、"ごめんって"と頭をかいた。
「はぁ……あと、家行ってええで。片付け終わったから」
「ほんま！？すぐ行くわ！」
「ちょ、流星、荷物もっていきや！」
案外、普通だ。
普通の、神山さんだ。
変わらない、神山さん。
あれを見てもなお普通なの？
……なんで私は、こんなに神山さんが気になって仕方ないの？
って、別に、旦那様だからか。
『よかったです、間に合って。なんとか場を繋げられました……いやぁ、桐山さんみたいなコミュ力とか欲しいものですね』
"私たちも行きましょっか"
そう言ってマンションへ入ろうとした時、突然、腕を掴まれる。
"なぁ、A"
次に聞いた神山さんの声は、さっきとは全く別で、弱々しかった。
「流星のこと、好きなん？」
そう聞くのは、さっきの告白を聞いていたからなのだろうか。
だとしたら、何で早く出てこなかった？
……神山さんなら、ずかずかと来そうなのに。
『何で、そう聞くんですか？』
「……好きやったら、結婚は終了やから」
『……』
「"お互いに好きな人が出来た時、この結婚は終了"……それが条件やから」
確か、そうだった。
でも、私は藤井さんのこと好きではない。
私はこの耳で、間違いなく藤井さんの告白を受け取った。
それでも、私は、はいと答えるつもりはサラサラなかった。
あの時神山さんに邪魔されていなければ、迷わず首を振っていただろう。
『……さぁ、わかりませんね』
それなのに、なぜか、意地悪……？
神山さんの複雑な顔、見たくないけど、させたいって気持ちが溢れる。
理由なんてわかんない。ただ、自然に。
「ん、そっか」
ぱっと離した手は、すとんと落ちて
私より前に歩いてる神山さんは、私の方を振り向かず言った。
「行くで、
＿＿
私事ですが、6月26日は私の誕生日です！
これからも変わらず、私らしい言葉と作品を届けていくので、これからも「ぽてとふらい。」をよろしくお願いします！
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ぽてとふらい。(プロフ) - しげつぐ。さん» ありがとう！！うーん、私もそんな感じ 笑 仲いい子以外は苦手だし…笑 まぁ人それぞれだから、大丈夫。 (2019年6月29日 23時) (
レス) id: 9d94f1b87d (このIDを非表示/違反報告)
流智LOVE - ありがとうございます。自分の言葉で助けてみようと思います！ぽてとふらい。さん本当にありがとうございます！ (2019年6月29日 15時) (レス) id: db4b56f1e4 (このIDを非表示/違反報告)
しげつぐ。 - ただの人見知りかもしれんけど笑でも、中学まだ行ったことないから気持ちが分からんけど、、、更新お疲れ様！新作も楽しみにしとるよ！ (2019年6月28日 15時) (レス) id: de4b714db2 (このIDを非表示/違反報告)
しげつぐ。 - 完結おめでとう！！最後のあとがきやっぱいい言葉やなって思った。本間に。陰キャやけど、ちょっと他の人と違うと思う。確かにめっちゃ喋らんし、静かやけどそれなりに友達おるし、それなりに話かけられるけど、自分から話しかけたりせえへんから。続き↑ (2019年6月28日 15時) (レス) id: de4b714db2 (このIDを非表示/違反報告)
ぽてとふらい。(プロフ) - れんさん» コメントありがとうございます！応援もありがとうございます！！まだまだ私らしい言葉を届けられるよう、頑張りますね！ (2019年6月27日 23時) (レス) id: 9d94f1b87d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽてとふらい。
| 作成日時：2019年5月13日 22時
