条件付き結婚しませんか？

26.ラジオ行くまで ページ26

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雑誌の撮影、インタビューが無事に終わり、次は移動してラジオの収録。

その移動する車はもちろん、神山さんと2人っきりなわけで。


あぁ、終わったな、と完全に悟りながら神山さんが待つ場所まで車を走らせた。





「なぁ、A」





車が神山さんの前に到着し、すぐさま乗り込んできた神山さんは、シートベルトをしながら私と鏡越しに目を合わせず話しかける。


一瞬、びくりと反応した体。

頭は"やばい、殺されるこれ"と警戒態勢に入って、必死な言い訳を探していた。





『な、なんでしょう……』


「Aは、ほんまに流星のマネージャーやるん？」





殺されるかと思ったら、そんなこと。

私は振り向いて後部座席を見ると、神山さんは、眉を下げて、どことなく悲しそうに私を見た。





『いや、あの……まぁ……はい……。本当のことを言えば、ほぼ強引なんですけどね。私、1度もイエスと言ってないし……』


「……そっか」






"掛け持ち、大変になるな"


神山さんはそう呟くと、寝るのか、近くにあったブランケットを手に取り、膝にかけた。

その大きな目を閉じて、秒で寝息をたてる。


こうすれば可愛いのに、と寝た神山さんを確認して、静かに運転席に座り直す。






『掛け持ち……か。私に務まるかな』





掛け持ちは結構大変だと聞いた。

先輩も、マネージャーに慣れ、ある程度余裕を持ってから掛け持ちし始めたと言っている。


……今、神山さんのマネージャーでも大変なのに。

ある程度の余裕なんて全然ない。

なんなら毎日がドタバタだと思う。


そんな状況で、ジャニーズ、しかも同じグループの人の掛け持ちマネージャーなんてできるはずがない。




私みたいな、責任感がない人なんて特に。





藤井さんみたいな爆弾的天然な人のマネージャーも不安だし、何より、どっちかに偏りすぎないかと心配だ。

神山さんはこう見えても優しい人だから、手伝ってくれるとは信じているけれど。



……はあ。



まぁ大変なのは、マネージャー他に、プライベートもなんだけどさ……。

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