35.チョコバナナと保健室 ページ35
*
本当に、倒れるかもしれない。
「チョコバナナ好き?」
『……あ、好き、です』
「じゃあ買ってくるわ。そこで待っててな?」
神山くんと文化祭をまわる時間は、幸せ以外の何者でもない。
でも、疲れきり重い体、痛い足
ダブルで背負っているこの状況では楽しもうにも楽しめなくて。
疲れすぎて話すことがまずつらいし、
笑うのにも体力が必要なため、苦笑いしかできない。
ああ、どうしよ。絶対嫌な思いさせてる。
そしてどうしよ。なんか、頭ぼーっとする……
「瀬良?」
神山くんが私のことを呼んでくれているのに
返事することすらできなくなってきてる。
出ろ、声。
振り絞れ、声。
まだ、私は神山くんと楽しむんだ……!!
『……、あ』
振り向いた瞬間、誰かに頭を殴られたみたいに痛みが走って
ぐらっと大きく揺らいだ視界は、気付けば天井を見ていた。
「……っ、瀬良、瀬良!!!」
必死に私を呼ぶ声。さっきとは違う、神山くんの声。
あー……まさか私、倒れた?
神山くんに気を使わせた挙句、倒れたの?
まだ、頼んだチョコバナナ……いや違う
神山くんが私の為にと買ってきてくれたチョコバナナ
食べてない、てか目の前にあるなこれ。匂いするもん。
ああ、何で、倒れるかな。私。
そんなことを考えたのが最後で、
気づいたら私は意識を手放していた。
* *
神山くんと、誰か、女の人の声がする。
優しそうな神山くんの声と、大人っぽい女の声。
……え?女の声?
『だれ!!!!!』
「あ、瀬良、おはよう」
『あ……れ、あ、おはよう、ございます……?』
目を覚ましたら、そこは保健室だった。
ベッドの横にある椅子に座っている神山くんは
シリーズ物か、題名の横に3と書かれた小説を手に持っていた。
私は……あれ、ああ、倒れたのか。
それで、……え?神山くんが運んでくれたの?
なんて妄想は虚しく、
保健室の先生が
"女の私が女子高校生を背負うなんてね……二度とごめんだわ"
なんて言いながら肩をポキポキ鳴らしていたので
思わずため息を。
「頭とか痛くない?」
『痛くない、です』
「具合は?気持ち悪いとか、まだ疲労感あるとか」
『全然!寝たら、楽になりました……!』
「……よかった」
初めて見るほど安心しきった神山くんの顔に
かなり心配させてしまったんだな、と深く反省と後悔をした。
422人がお気に入り
「ジャニーズWEST」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
そらジロー(プロフ) - 過去の作品から読ませていただきました。読んでて、ずっと読みやすい作品もありましたが、この神山くんの話はすこし、文の書き方などがスッキリしていない為、特に読みにくいなぁと思いました。学業との両立は大変ですが、応援してます。 (2021年11月3日 9時) (レス) @page1 id: 614ab98b9f (このIDを非表示/違反報告)
ぽてとふらい。(プロフ) - ひなさん» コメントありがとうございます。何回も見てくださるなんて…とても嬉しいです!!最近、リアルがバタバタしてしまっているので更新が遅くなりますが、飽きずに最後まで見てくださると嬉しいです! (2021年2月27日 0時) (レス) id: 9d94f1b87d (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - とてもおもしろいです!何回も見ちゃってます。更新頑張ってください!応援してます (2021年2月26日 18時) (レス) id: 030ed8b055 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ぽてとふらい。 | 作成日時:2021年2月17日 0時