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『え……?』
「潔達から聞いたんだ。ヒナの言ってたことは、多分全部嘘だと思うって……仕事押し付けられてたの、ほんとは君の方だったってことも」
潔くん達…
誤解、解いてくれたんだ
「なのに俺君のことばっか責めて、酷いことも言っちゃって……ホントに、ごめん!」
『いや、全然っ、え?』
蜂楽くんが今にも泣きそうな顔するから、柄にもなく取り乱してしまった。
大丈夫だって励ましたいのに、こういう時どうすればいいのか経験がないから分からない
「俺ずっと後悔してて……いつも俺らのこと支えてくれる人に、なんてことしちゃったんだろうって……だから、早く謝りたくて……」
その声は段々と小さくなっていって、最後の方は絞り出すように発せられた。
泣かせてしまった……?と頭の中が混乱でぐるぐると回る。
『あの、蜂楽くん、ほんとに平気だから……
あの時は、私も意地張っちゃって強く言っちゃったし……』
マネージャーのくせに一丁前にブルーロックについて語った気もする。うわ、今思い返すと消えたい…
『だからほんとに、もう大丈夫だから。
それよりも、そうやって謝ってくれたのがその、う、嬉しいし……仲直りしようとしてくれて、ありがとう』
緊張と照れくささで大分どもってしまったけど、伝わってくれただろうか
「仲直り、してくれるの…?」
『え、うん…?』
あれ、仲直りの使い方なんかおかしい?
ま、まぁ今は気にしなくていいか……
「じゃ、じゃあこれからたくさん話しかけていい?俺も仕事手伝ってもいい?あと、Aで呼んでもいいっ?」
『う、うん……え、いいの?』
一緒に手帳探してくれた上に仕事も手伝ってくれるなんて……
「もちろん!あ、明日からは俺のこと一番に頼ってね?
……今までの償いって訳じゃないけど、絶対、力になるから」
『うん、わかった。ありがとう』
「こちらこそだよ。ありがとうA
…そうだ、これから俺のことも名前で呼んでよ!」
『えぇ?えっと……めぐる?』
で、いいんだよね?うわ、男の子のこと下の名前で呼んだのなんか初めてだから……なんか気はずかしい。
「はーい!ふふ、A耳真っ赤!」
『ひゃ、』
する、と蜂楽くんの冷たい手が耳に触れたから、思わず変な声を漏らしながら肩を揺らしてしまった。
蜂楽くんの顔が固まったのを見て、頬に熱が昇るのを感じる。
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ごりらに憧れてます - ちょっと控えめに言って神です。語彙力めちゃ高ですし……小説家なれると思います。応援してます!!最高でした〜 (1月19日 7時) (レス) @page43 id: 930e13de40 (このIDを非表示/違反報告)
黎明(プロフ) - 話の構成が上手すぎて引き込まれました…!神作品を有難う御座います! (10月10日 13時) (レス) @page22 id: 96c5df6fb7 (このIDを非表示/違反報告)
時雨、ときどき猫。 - 私、最後の「彼との幸せな〜」を呼んだ瞬間、大泣きしました。枕に顔うずめてたら親に笑われました(笑)本当に心が温かくなる話でした!これからも投稿頑張ってくださいね! (6月5日 21時) (レス) @page49 id: 5c49e2991a (このIDを非表示/違反報告)
ルナ - すっごい泣きまた!本当に素晴らしい作品をありがとうございます! (5月21日 0時) (レス) @page49 id: e67944ae95 (このIDを非表示/違反報告)
ヒラコ - 素敵なお話をありがとうございました。ツナさんの暖かい気持ちに感動しました。生きることは決して楽しいこと、美しいことばかりではないけれども、それらはいつか糧となり実を結ぶのだと思います。私もいつか生きていて良かったと思える日が来るよう今を生きます。 (2023年4月2日 2時) (レス) @page49 id: 488b484064 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ツナ | 作成日時:2023年1月28日 16時