彼との幸せな日常 ページ43
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「ただいまー。ほい、牛乳」
『ありがー…って、また一番高いやつじゃん!いつものにしてねって言ったでしょ〜?』
「別にいーだろ、俺の金なんだし」
な?と後ろから抱きしめられる。なんか丸め込まれた気がするけど……まぁいいか。玲王のお金だし。
『てゆーか、大企業の御曹司がこんな庶民マンションに住み着いちゃってて大丈夫なの?今更だけど』
「言ったろ?俺は俺の人生を生きる。俺が帰りたいと思うのはお前のいる場所なんだから、ここが俺の家なんだよ」
玲王って普段は照れ屋のくせに、こういう時だけ無駄に雄弁になるのやめてほしい。
その上変なとこで洞察力もあるから、赤くなる顔を見られないようにするのは結構大変だったり。
「そーいえばこの間実家帰ったんだろ?絵心さん元気だったか?」
『うん。やっと体重戻ってきた』
「はは、Aが家出るってなった時ショックでめっちゃ痩せてたもんな〜
………付き合ってるなんて言ったら、俺殺されんじゃね?」
『ふふ。かもね。
でもそれよりも、玲王が未婚の私に対して付き合う以上の行為を日常的に迫ってるって知ったら…殺されるじゃ済まないかも』
脅し半分のつもりで言ったのに、玲王は真に受けたようで顔を青くして狼狽えていた。
「な、それは……っ、そうだけど!」
『そうなんだ』
くすりと笑いが零れる。
最初は玲王と一緒に住むなんて絶対無理と思ってたけど、蓋を開ければ全然そんなことはなくて。
ブルーロックにいたからかいくつか庶民的な感覚も得たようで、普通に家事もしてくれるし美味しいご飯も作ってくれるし、今では俺様玲王様彼氏様状態だったり。
夜も積極的なのはちょっと直して欲しいけどね。
次の日まじで身体しんどいから。
「じゃあ、挨拶しに行く日が俺の命日ってことか」
『潔良いね。未練ないの?』
「死んでも後悔しないように、今からAちゃんを抱きしめるからな〜」
『……抱きしめるだけで終わるんでしょうね?』
「それはどーかな」
『もう……』
こうなったら聞く耳持たずの困った彼氏様だけど
「A、大好き。お前と出会えてよかった」
『んふ…なにそれ。遺言のつもり?』
「かもな」
私を心から愛してくれる、世界一の人。
『私も大好きだよ、玲王』
あなたと出会えたから、今の私がいる
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ごりらに憧れてます - ちょっと控えめに言って神です。語彙力めちゃ高ですし……小説家なれると思います。応援してます!!最高でした〜 (1月19日 7時) (レス) @page43 id: 930e13de40 (このIDを非表示/違反報告)
黎明(プロフ) - 話の構成が上手すぎて引き込まれました…!神作品を有難う御座います! (10月10日 13時) (レス) @page22 id: 96c5df6fb7 (このIDを非表示/違反報告)
時雨、ときどき猫。 - 私、最後の「彼との幸せな〜」を呼んだ瞬間、大泣きしました。枕に顔うずめてたら親に笑われました(笑)本当に心が温かくなる話でした!これからも投稿頑張ってくださいね! (6月5日 21時) (レス) @page49 id: 5c49e2991a (このIDを非表示/違反報告)
ルナ - すっごい泣きまた!本当に素晴らしい作品をありがとうございます! (5月21日 0時) (レス) @page49 id: e67944ae95 (このIDを非表示/違反報告)
ヒラコ - 素敵なお話をありがとうございました。ツナさんの暖かい気持ちに感動しました。生きることは決して楽しいこと、美しいことばかりではないけれども、それらはいつか糧となり実を結ぶのだと思います。私もいつか生きていて良かったと思える日が来るよう今を生きます。 (2023年4月2日 2時) (レス) @page49 id: 488b484064 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ツナ | 作成日時:2023年1月28日 16時