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「不謹慎かもしれんけど、嬉しいわ。Aちゃんと同じような悩み持っとるの」
『私も…。自分だけじゃないって、心が軽くなるよね』
辛いのは自分ひとりじゃないからって、他人を使って保とうとするのは正直かなりエゴい。
でもそれが人間だから。たとえ少数派だとしても、一人でさえなきゃいいと思える。
「こんなこと言ったら嫌われるやろうけど……僕な、両親殺したいとか思っとる」
言い終えた後、しまったと表情をもたつかせる氷織くん。
少し誇張しすぎたと訂正するため口を開けたが、でも別に嘘は言ってないと閉ざす。そんな様に、私には見えた。
『私も、思うよ』
後味悪そうに逸らされていた氷織くんの顔が、素早くこちらを向く。その瞳には動揺と、あと感悦のようなものが含まれていた。
縋るように見つめられて顔に熱が集まるのが分かったが、私も決して視線を逸らさなかった。
「……ほんま？」
『うん』
今回は叔父さんという新たな家族が出来たから救われたけど、もしも別の世界で似たような環境だったら……うん、多分あの家族全員殺してた。
「そやったら僕たち、共犯者やね」
『一応未遂だけどね』
「ふふ、せやね……」
あんな、と氷織くんが言葉を続ける
「僕の両親、僕のことなんかちっとも見てないんよ。ただ世界一の道具としか見てへん」
なんやろな自分。と天井を仰ぐ氷織くんに、何故か私は次言う言葉が自然と頭に浮かんでいた。
『…見るよ……私が、ちゃんと見るから』
そっか…この言葉、氷織くんが言ってくれたんだったよね。
あの時私、すっごく救われたよ
「……うん、ありがとう。僕、絶対残るわ」
心做しか笑顔が和らいだ氷織くんに、私の想いは伝わってくれただろうか。
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ごりらに憧れてます - ちょっと控えめに言って神です。語彙力めちゃ高ですし……小説家なれると思います。応援してます！！最高でした〜 (1月19日 7時) (
レス) @page43 id: 930e13de40 (このIDを非表示/違反報告)
黎明(プロフ) - 話の構成が上手すぎて引き込まれました…！神作品を有難う御座います！ (10月10日 13時) (レス) @page22 id: 96c5df6fb7 (このIDを非表示/違反報告)
時雨、ときどき猫。 - 私、最後の「彼との幸せな〜」を呼んだ瞬間、大泣きしました。枕に顔うずめてたら親に笑われました（笑）本当に心が温かくなる話でした！これからも投稿頑張ってくださいね！ (6月5日 21時) (レス) @page49 id: 5c49e2991a (このIDを非表示/違反報告)
ルナ - すっごい泣きまた！本当に素晴らしい作品をありがとうございます！ (5月21日 0時) (レス) @page49 id: e67944ae95 (このIDを非表示/違反報告)
ﾋﾗｺ - 素敵なお話をありがとうございました。ツナさんの暖かい気持ちに感動しました。生きることは決して楽しいこと、美しいことばかりではないけれども、それらはいつか糧となり実を結ぶのだと思います。私もいつか生きていて良かったと思える日が来るよう今を生きます。 (2023年4月2日 2時) (レス) @page49 id: 488b484064 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ツナ
| 作成日時：2023年1月28日 16時
