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「そんなことが……あいつ、マジで許せねぇ」
手帳のことを話したあと、初めて見る凪くんの怒りに夢でも見てるんじゃないかという気分になる。
いつも穏やかな彼から発せられたとは思えないような語気の強い言葉、かわいらしい目の奥に激しく灯る憤怒などが全部新鮮に見えた。
「A、残念だけど写真はもう戻ってこない」
『え……？』
顔を上げたところで、凪くんに抱きしめられていたままなのを思い出し、急いで距離を取った。
自分ではそういう建前にしたけど、心の中ではきっと彼に対する一種の拒否だった。
「こういう場合は、要求を飲み込んだらハイ終わりじゃない。次はこうしろ、その次はああしろって、どんどん新しく押し付けられてくんだよ」
『でも……っ、言う通りにしたら返すって』
「A、しっかりして。泥棒するやつの、どこを信じられるの？」
それは、私が今までずっと封じ込めていた言葉だった。
写真を失いたくなくて、言うこと聞けば戻ってくるという微かな希望で目を逸らし続けていた現実。
自分では見ないようにしてても、第三者からその事実を突きつけられたらもう見ないフリをすることは出来なくて
逃げられなくなった私は、自分に言い聞かせるように言った。
振り絞ったような声で。
『……違う。そんなことない』
「宝物奪われた挙句脅されて、まだそんな奴の肩を持つの？頭おかしいよ」
『違う……！凪くんは、凪くんは私に避けられたくないからそう言ってるだけ……っ』
我ながら酷い言い分だ。凪くんはちゃんと、私に向き合うべき現実を教えてくれてるのに……私の心がそれを拒否してる。
「あぁそうだよ。俺は、俺はA好きだからこれ以上傷ついて欲しくない。泥棒女の操り人形みたいに理不尽なことさせられてるのを見たくない」
言い切った凪くんは、分かって……と震える私の肩を抱いた。
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ごりらに憧れてます - ちょっと控えめに言って神です。語彙力めちゃ高ですし……小説家なれると思います。応援してます！！最高でした〜 (1月19日 7時) (
レス) @page43 id: 930e13de40 (このIDを非表示/違反報告)
黎明(プロフ) - 話の構成が上手すぎて引き込まれました…！神作品を有難う御座います！ (10月10日 13時) (レス) @page22 id: 96c5df6fb7 (このIDを非表示/違反報告)
時雨、ときどき猫。 - 私、最後の「彼との幸せな〜」を呼んだ瞬間、大泣きしました。枕に顔うずめてたら親に笑われました（笑）本当に心が温かくなる話でした！これからも投稿頑張ってくださいね！ (6月5日 21時) (レス) @page49 id: 5c49e2991a (このIDを非表示/違反報告)
ルナ - すっごい泣きまた！本当に素晴らしい作品をありがとうございます！ (5月21日 0時) (レス) @page49 id: e67944ae95 (このIDを非表示/違反報告)
ﾋﾗｺ - 素敵なお話をありがとうございました。ツナさんの暖かい気持ちに感動しました。生きることは決して楽しいこと、美しいことばかりではないけれども、それらはいつか糧となり実を結ぶのだと思います。私もいつか生きていて良かったと思える日が来るよう今を生きます。 (2023年4月2日 2時) (レス) @page49 id: 488b484064 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ツナ
| 作成日時：2023年1月28日 16時
