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「ほんとに部屋ん中全部見たんだろうな？」
『見たよ……見たけど、どこにもなかった』
昨日、御影くんがくれた温もりが嘘のように失われていく。
手を繋いだ時に感じた安心感を、再び求めるように自分の拳を握るもそこには何もない。
昨晩の言葉通り、御影くんは今は崖っぷちにいる。私と顔を合わせたらきっと、嫌でも手帳のことを気にしてくれるだろう。彼は人の感情を察するのが上手いから、私が誤魔化しても恐らく見抜いてしまう。そうなるくらいなら、御影くんと顔を合わせない方がいい……
ただでさえ色んな葛藤を抱えている彼にこれ以上迷惑は掛けたくないし。
だから、頼るのはもうやめなきゃなのに
顔を見ないだけで、どうしてこんなに不安なんだろう……
私の思いを汲み取ったかのように、蜂楽くんが「不安だよね」と荒む心を宥めるような言葉をくれる。
『うん……』
お母さんの写真を無くした不安と、御影くんと気軽に話せなくなった不安
今言った"うん"がどちらに向けられているのかは、自分でも分からなかった。
「ウーン、やっぱり無いね」
『……ごめん』
今日も二人に手伝ってもらって色んな所を探したけど、それでもやっぱりみつからない。
でも簡単に諦められない。どうしたらいいの……
「大丈夫だ」
私の俯く気持ちを遮るように、糸師くんの大きな手が頭に乗せられていた。
「俺がみつけてやる。
だからいい加減そのツラやめろ。見苦しいんだよ」
尖った言葉とは裏腹に、頭をそっと撫でる手は酷く優しくて。
お母さんがいなくなってからここに来るまで感じなかった、人の優しさというものを今一度強く感じて
涙が零れそうになるのを必死に耐える。
ブルーロックに入ってから私、絶対涙がもろくなった
でも裏を返せば、それほど多くの優しさを頂いたということだ。
そして私がそれを素直に嬉しいと感じられている。
「ヒュ〜！凛ちゃんいっけめーん！
でも俺も負けないよ。だから安心してA、絶対みつけるからね！」
「……聞いたか？もう泣くんじゃねぇぞ」
『うん……』
私、ここに来れてよかった。
「あ、そうだ！俺が見つけたらAに頭撫でて欲しいな〜！」
「ふざけんなクソデコ野郎。はっ倒されたいのか」
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ごりらに憧れてます - ちょっと控えめに言って神です。語彙力めちゃ高ですし……小説家なれると思います。応援してます！！最高でした〜 (1月19日 7時) (
レス) @page43 id: 930e13de40 (このIDを非表示/違反報告)
黎明(プロフ) - 話の構成が上手すぎて引き込まれました…！神作品を有難う御座います！ (10月10日 13時) (レス) @page22 id: 96c5df6fb7 (このIDを非表示/違反報告)
時雨、ときどき猫。 - 私、最後の「彼との幸せな〜」を呼んだ瞬間、大泣きしました。枕に顔うずめてたら親に笑われました（笑）本当に心が温かくなる話でした！これからも投稿頑張ってくださいね！ (6月5日 21時) (レス) @page49 id: 5c49e2991a (このIDを非表示/違反報告)
ルナ - すっごい泣きまた！本当に素晴らしい作品をありがとうございます！ (5月21日 0時) (レス) @page49 id: e67944ae95 (このIDを非表示/違反報告)
ﾋﾗｺ - 素敵なお話をありがとうございました。ツナさんの暖かい気持ちに感動しました。生きることは決して楽しいこと、美しいことばかりではないけれども、それらはいつか糧となり実を結ぶのだと思います。私もいつか生きていて良かったと思える日が来るよう今を生きます。 (2023年4月2日 2時) (レス) @page49 id: 488b484064 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ツナ
| 作成日時：2023年1月28日 16時
