私には無関心だったのに【五条悟】

16【続き】 ページ16

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「ばっかだな〜！れ・い・ら、だろお前の名前は！」


「あそっか！悟くん凄いね！天才だ〜」


「自分の名前も忘れるお前がおかしーの！」


「そーかもー」





やっぱり悟くんは凄いな〜。頭もよくてとっても偉くて、きっと悟くんが私だったらお母様も喜んだだろうなぁ

そしたら毎日無視されないで蹴られないで、ただ笑ってくれるのかな





「いいなぁ」


「……お前、その痣どーしたんだよ」


「……」


「はぁ……またあのババアかよ」


「お母様のこと悪く言っちゃダメだよ」


「お前な、子供に手ぇあげるやつなんか母親じゃねーんだよ！こんな隔離までしやがって……！」


「でもっ、お母様いつも謝ってくれるもん……その時は優しいもん」







悟くんは私が怪我してるのを見ると、うちに来いってしつこく言ってくる。
でも行けない。私にはいつかお母様を笑顔にするっていう夢があるから。






「分かってる……お母様が他よりちょっと怖いのは知ってる。
でもレイラにはお母様だけなの！お父様は最近帰ってこないし…
家族って言えるの、お母様だけなんだよ」






カタチだけでもいい。
他の子みたいに母親って思える人が欲しい。






「……お前がそーいうんならまぁいいけどさ…
でも酷くなるようだったら、俺も言うからな」


「うんっ、ありがとう悟くん！」


「別に。あと一つ間違ってるぞ」


「え？」


「お前の家族はあのババアだけじゃない。俺もだかんな」


「悟くん……っ、大好き！」








あの時はまだ分からなかったけど、胸に抱いたあの幸せと苦しさは間違いなく恋だった。


悟くんだけが私を見てくれる。


たとえそれが同情からだとしても、存在すら中々認識してもらえなかった私にとってその事実は宝物のように嬉しかった。






結果的に悟くんは私を恋人として好きになることは無かった。
もちろん悲しさもあるけど、それ以上に二人が結婚するってなっときはすっごく嬉しかったなぁ


レイラの大好きな二人が一緒になって、もし子供が産まれたりなんかしたら私めいっぱい可愛がるんだって、しても仕方ない妄想ばっかしてたっけ。


たまに帰っても無視される夜は特に。現実から目を背けて幸せな夢に入り浸っていた。







A先輩はそんな事ないって言ってたけど、悟くんはA先輩の思ってる以上にきっと先輩の事が好きだから



だから、どうか幸せになってね

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