第六話 ページ8
外を見れば真っ暗。屋敷の中に私以外の人もいるとはいえ、どこか心細い。
むいくんが任務に行ってからすでに数時間経っている。多分、最悪の状況にはならないと思うけど。それでも不安は残ったままだ。
私は壁に背中を預けて、座る姿勢を変える。
恐らく炭治郎はまだ鬼殺隊には入っていない。つまり今は原作で言うと、むいくんが登場する前。だから…大丈夫な筈だ。
『むいくん…早く帰って来ないかな…』
ポツリと呟いた声は、暗闇に静かに消えていった。
＊＊
ー無一郎視点ー
任務が終わり、屋敷に着いた時には既に夜中だった。疲れた体を早く休めたいと思いながら、屋敷の扉を開ける。そこで、右腕に鋭い痛みが走った。
「ーッ…いた…」
今日は鬼の数が多い上に、足手纏いな隊員がいた。そのせいで、いらない傷まで負う羽目になるとは。
「(…ああ、面倒くさい)」
痛みはあるけど、別に大した怪我ではない。放っておいても害はないしいいかな。
憂鬱になりながら中に入ると、居間からは明かりが漏れていた。
''ちゃんと無事に帰って来たの、自分の目で見るまで待ってる''
「(…本当に待ってるのか)」
居間を除いて見ると、そこには壁に背中を預けて寝ている少女。それを見て、なんとなく気が抜けるのを感じた。
「…寝てるじゃん」
自分で言った癖に。側に寄れば、規則正しい寝息が聞こえて来る。
変な奴。何処から来たかも分からない。表情がクルクルと変わり、無駄に明るいし。
「……A…」
小さい声で呼べば、うーん、と唸り声を上げながら身動ぐ。
「ばーか…」
帰って来てやったんだから、そろそろ目を覚ましなよ。
思い切り頬を抓れば、悲鳴を上げ飛び起きた。何が起きたのか把握しようと周りを見渡して、俺を視界に入れる。
『む…むいくん…？』
色素の薄い目を２、３度瞬かせた後、分かりやすい位に彼女は顔を綻ばせたのだ。
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uru(プロフ) - 愛NAさん» ありがとうございます！自分ではまだまだと思っているのですが、そう言って下さり嬉しいです！！これからも頑張ります！ (2020年8月18日 19時) (
レス) id: 275269a074 (このIDを非表示/違反報告)
愛NA(プロフ) - 小説の書き方上手過ぎませんか…？？ちょっとシリアスだったり面白かったり、何かもう色々と凄って思いました。陰ながら応援させて頂きますね…！ (2020年8月18日 18時) (レス) id: d66500f3cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：憂流 | 作成日時：2020年8月2日 15時
