第二十九話 ページ31
『全集中・常中を会得したの?凄い!!』
暫く経ったある日、私はまた蝶屋敷にお邪魔していた。
『みんな強くなってるね…ほんとに凄いや』
「いやぁ〜そんなに褒められると照れるなぁ〜」
善逸は嬉しそうに頭を掻く。
「怪我も良くなってきたし、そろそろ此処を発とうと思ってるんだ」
『あ、そうなんだ。じゃあ簡単には会えなくなるね』
折角仲良くなれたのに、それは少し悲しい。何だか一気にみんなを遠くに感じる。
「Aは鬼殺隊にはならないのか?」
『…うん、まあ…。私、絶対弱いし足引っ張るだけだよ』
「…どうして決め付けるんだ?やってみないと分からないじゃないか」
『それは……そうだけど…』
炭治郎の真っ直ぐな目が、逃げる事を許さない。
『……もし…出来るのなら、大切な人を…守りたいとは思うよ…』
私の頭に浮かぶのは、大好きな人の顔。
『私に力があればって、思う』
「…決まってるんじゃないか?どうしたいのか」
1度は逃げた道。どうなるのかは分からないけど。
『不思議だね、炭治郎は。炭治郎に言われると勇気が出てくるよ』
「そ…そうかな…?」
『うん…!決めたよ私!やれるとこまでやってみる。逃げてちゃ何も変わらないしね!』
呼吸を使えるかは分からないけど、やっても無いのに逃げるのは止めだ。いつも明るく前向きに。それが私だ。
**
『ーって事でむいくん!私を弟子にして下さい!』
「………はぁ?」
私の言葉にむいくんは眉根を寄せて私を見た。
「突然何…?」
『私を!むいくんの弟子にして欲しい!』
「頭おかしくなった…?あぁ、それは元からか」
『え!?酷くない!?』
私は馬鹿なだけで、決しておかしくなった訳では無いからね…!?
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uru(プロフ) - 愛NAさん» ありがとうございます!自分ではまだまだと思っているのですが、そう言って下さり嬉しいです!!これからも頑張ります! (2020年8月18日 19時) (レス) id: 275269a074 (このIDを非表示/違反報告)
愛NA(プロフ) - 小説の書き方上手過ぎませんか…??ちょっとシリアスだったり面白かったり、何かもう色々と凄って思いました。陰ながら応援させて頂きますね…! (2020年8月18日 18時) (レス) id: d66500f3cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:憂流 | 作成日時:2020年8月2日 15時