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第二十七話 ページ29

屋敷に戻って、静かに部屋に戻ろうとしていた時だった。

「……A」

唐突に後ろから声をかけられたのだ。振り向かなくても声で誰かなんて分かる。

『わ、私やる事があるからっ』

振り返らずに自分の部屋に向かって走ろうとするが、それよりも早く腕を掴まれた。

「……話したいんだけど?」

『……やる事あるんだよ…』

「何?」

『そ…れは…』

口籠もった時点で、彼は嘘だと見抜いているだろう。

「何で避けるの?目も合わないし」

いつもより少し低い声。怒っているのだ。

「ねぇ…A…」

『……怖いんだもん』

「……は…?」

『今の関係が崩れて欲しくない。でも…答えは分かってるのに、抑え切れないから…!だから…』

半ば八つ当たりのように吐き捨てる。分からないよ、むいくんには。

「……何で、いつもそうなるんだよ…」

むいくんは、忌々しげにそう呟いた。ギュッと、私の腕を掴む力が強くなる。

『…痛い。…離して』

「離したら逃げるでしょ」

黙った事で図星だと思ったのか、むいくんかは離そうとしなかった。

「…勝手に決め付けるな」

『……決め付けてなんか…』

「決め付けてる。俺の気持ち、Aには分からないよ」

『それは…こっちのセリフ。私の気持ちだって分かって無いじゃん…!』

ああ…最悪。なんて面倒くさい女だろう。

「……そうだね、分からない。…だから言ってよ」

『……え…』



「もう1回…Aの気持ちを聞かせて」



私は振り返って、彼…むいくんを見る。むいくんは真っ直ぐに、私を見つめていた。


『…むいくんが……好きです…』


気付けば私は、もう一度むいくんに告白をしていた。

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uru(プロフ) - 愛NAさん» ありがとうございます!自分ではまだまだと思っているのですが、そう言って下さり嬉しいです!!これからも頑張ります! (2020年8月18日 19時) (レス) id: 275269a074 (このIDを非表示/違反報告)
愛NA(プロフ) - 小説の書き方上手過ぎませんか…??ちょっとシリアスだったり面白かったり、何かもう色々と凄って思いました。陰ながら応援させて頂きますね…! (2020年8月18日 18時) (レス) id: d66500f3cb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:憂流 | 作成日時:2020年8月2日 15時

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