【呪術廻戦】目が覚めると若返ってた

#22 ページ22

２００７年 ８月


蝉が煩く鳴く夏真っ只中だった。



「いっくよー」


ペンと消しゴムをそれぞれ硝子と夏油が持ち、五条に向かって投げる。ペンは五条の目の前でピタリと止まり、消しゴムは頭に当たった。

「うん、いけるね」

そう言ってペンと消しゴムを手に取る五条。

「げ、何今の」

「術式対象の自動選択か？」

「そ」

『正確に言えば術式対象は五条だけどね』

今までマニュアルでやっていたのをオートマに。呪術の強弱だけじゃ無く質量・速度・形状からも物体の危険度を選別出来る。

これなら最小限のリソースで無下限呪術をほぼ出しっぱに出来る。

「出しっぱなしなんて脳が焼き切れるよ」

「自己補完の範疇で反転術式も回し続ける。いつでも新鮮な脳をお届けだ」



五条は"最強"になった。



任務も全て１人でこなす。硝子は元々危険な任務で外に出る事は無い。
必然的に私や夏油も１人になる事が増えた。



その夏は忙しかった。

昨年頻発した災害の影響もあったのだろう。蛆の様に呪霊が湧いた。



「傑、ちよっと痩せた？大丈夫か？」

「ただの夏バテさ。大丈夫」

「ソーメン食い過ぎた？」



そして



夏油の顔から…心からの笑顔が少なくなった。

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