#42 ページ45
「A、部屋来る?」
『後から行くわ、先に戻ってて』
硝子を見送ってから、ふと教室を見渡す。五条悟と夏油君がいないだけで、こんなにも広く感じるなんて。
五条悟の席に座り、ツゥ…と机を撫でる。それから目を閉じて、覆い被さる様にして机に伏せた。そうすれば、彼の事を少しでも感じられる様な気がしたのだ。
『…待ってる』
秒で終わらすんでしょう。私はちゃんと待ってるんだから。
目を閉じているとだんだんと眠気が襲ってきて、私はそのまま意識を飛ばした。
───────
─────
───
『……ん、』
まだふわふわとした意識の中、目を薄らと開けると、寝起きには刺激の強い綺麗な白色が視界に入ってきた。
「目ぇ覚めた?おじょーサマ」
優しい声、優しい顔で私を見つめる彼は間違いなく五条悟。今、目の前にいるの…?
『…ゆめ…?』
「現実」
弱い力で私の頬を抓り、ほら、と彼は笑う。その顔を見て、胸がキュッとなる。じっとしていられなくて、私は五条悟の胸に飛びついた。
「ーッ…!!」
その衝撃のせいで、椅子を巻き込みながら床に倒れ込んだ。カシャン、とサングラスが落ちた音もした。五条悟が庇ってくれていたお陰で、私の体はどこも痛くない。
「っあっぶねーな…!何して…」
『寂しかった…!!』
ギュッと五条悟の服を握りしめ、彼の腕の中で叫ぶ。
『…会えなかった事だけじゃなくて…最近ずっと…。付き合えたのに、何も変わらない気がしてるの。もっともっと近付きたいのに』
頭の上で、五条悟が息を呑んだ気がした。顔を上げると、目を丸くさせた五条悟と視線が合った。
『…もっと、触れてくれたっていいのよ」
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ななき - もー死ぬほどキュンキュンとまりません、もっとお願いします!!!!!!?!!!!!! (11月30日 23時) (レス) @page46 id: f371c2d5cf (このIDを非表示/違反報告)
憂流(プロフ) - 水泳進化人さん» 嬉しいです!ありがとうございます!! (2021年6月28日 17時) (レス) id: 275269a074 (このIDを非表示/違反報告)
水泳進化人(プロフ) - あー…好き、めちゃめちゃ好き…それだけです。 (2021年6月19日 19時) (レス) id: ddf2ca19b2 (このIDを非表示/違反報告)
憂流(プロフ) - 星空の砂時計さん» ありがとうございます!!更新ゆっくりですがこれからもよろしくお願いします!作品、機会があれば読ませて頂きますね…! (2021年4月17日 23時) (レス) id: 275269a074 (このIDを非表示/違反報告)
星空の砂時計 - とても面白いですね♪ 作者さんのペースで更新を頑張ってくださいね! 私も呪術廻戦にハマり、作品を書いている者なので機会があれば何処かでお会いしましょう! *´▽`* (2021年4月17日 16時) (レス) id: a21ef6301e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:憂流 | 作成日時:2021年2月15日 18時