検索窓
今日:4 hit、昨日:50 hit、合計:71,330 hit

#33 ページ35

…今、まあ、と目の前の男は言ったか?


夏油と硝子は、予想外の事に一瞬フリーズする。


「…なんか言えよ」

そんな2人に五条は抗議の声を上げた。だが、ほんのりと頬が赤くなっているため、圧も怖さも全く無い。

「いや…まさかそんなに素直に答えるとは思わなかったな」

ようやく夏油が口を開く。まだ戸惑いながらも、硝子と目を合わせ頷く。その顔はやけに真面目な顔だ。

「あの五条がな」

「あの悟がね」

「うっせえ!!」

そう…あの(・・)五条が、だ。今まで、核心めいた事には一切答えてこなかった。はぐらかすか逃げるかばっかりだったため、夏油も硝子も手を焼いていたし、Aは五条の本心が読めなかったのだ。

やっぱり面倒臭い、と2人は思う。


「なら早く謝りなよ。そして告れ」

告れとまで言われると思わず、五条は少し顔を引き攣らせる。
今まで本心を言ってこなかった五条の事だ、どうせAに言うまで時間がかかるだろうと硝子は考えていた。実際その考えは合っている。

「明後日が何の日か分かってる?」

その質問に首を傾げた五条に、硝子の目元が吊り上がる。数十秒の間の後、夏油が「あ」と声を漏らした。


「10月31日、Aの誕生日」


答えを聞いてようやく、ああ…と五条も声を漏らした。そんな2人に硝子は「これだからクズは…」とぼやく。Aがここにいたら確実に拗ねていただろう。

「確かに、その日ならいいタイミングじゃないか」

「Aは泣いて喜ぶだろうね」

「他人事だからって簡単に言うなお前ら…」

「他人事だけど他人事じゃないから、こうして悟と話をしているんだろう」

その言葉に五条は何も言えず唸る。

夏油と硝子はお互い顔を見合わせた後、喝を入れるかのように思い切り五条の背中を叩いたのだった。

#34→←#32



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (148 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
344人がお気に入り
設定タグ:呪術廻戦 , 五条悟
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ななき - もー死ぬほどキュンキュンとまりません、もっとお願いします!!!!!!?!!!!!! (11月30日 23時) (レス) @page46 id: f371c2d5cf (このIDを非表示/違反報告)
憂流(プロフ) - 水泳進化人さん» 嬉しいです!ありがとうございます!! (2021年6月28日 17時) (レス) id: 275269a074 (このIDを非表示/違反報告)
水泳進化人(プロフ) - あー…好き、めちゃめちゃ好き…それだけです。 (2021年6月19日 19時) (レス) id: ddf2ca19b2 (このIDを非表示/違反報告)
憂流(プロフ) - 星空の砂時計さん» ありがとうございます!!更新ゆっくりですがこれからもよろしくお願いします!作品、機会があれば読ませて頂きますね…! (2021年4月17日 23時) (レス) id: 275269a074 (このIDを非表示/違反報告)
星空の砂時計 - とても面白いですね♪ 作者さんのペースで更新を頑張ってくださいね! 私も呪術廻戦にハマり、作品を書いている者なので機会があれば何処かでお会いしましょう! *´▽`* (2021年4月17日 16時) (レス) id: a21ef6301e (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:憂流 | 作成日時:2021年2月15日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。