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言いたい事があるなら言え、そうは言われたものの…
『…という事だから硝子、相談に乗ってくれない?』
私の一言に、硝子はあからさまに顔を顰める。
「どういう事だよ。それに今何時だと思ってんの」
『…夜の9時』
「家入相談所、本日の営業時間は終了してまーす」
硝子はそう言って閉めようとするので、慌てて閉じかけた扉を掴む。
『お、お願い…!私だけじゃもう頭がパンクしそうなの』
必死で訴えれば、暫く黙って考える硝子。それから小さく溜息を吐いた。
「相談料は煙草ね」
『え、無理よ。そもそも私達は未成年なんだから』
買える訳ないじゃない。
間違った事は言っていない筈なのに、硝子の機嫌が少し悪くなった。何よ、仕方ないでしょ。
「…チッ、じゃあ甘い物じゃなければ何でも良いや。コンビニで何か買ってきて」
………?
『今から…?』
「そ、今から」
もう9時なのに今から行くなんて……と思ったけど、私だって今硝子の部屋に押しかけている。それくらいの見返りは当たり前だ。
『分かったわ。少し待っててね』
「ん。スマホ忘れないでよ」
もう忘れないわよ。ちゃんと服のポケットに入れているのを確認してから、財布と小さな鞄を手に取り外に出る。
真っ暗な空に、薄暗い光を放つ月が浮かんでいた。
ほぅ、と息を1つ吐いてから、スマホを取り出しコンビニへの経路を確認する。徒歩約10分。そこまで遠くはない。
そのスマホの光に気付いたのだろうか。
「誰かいんの?傑?」
左の方から声がした。姿は暗くて見えないが、声で誰か分かる。
「…って…Aか」
私を確認した五条悟は、此方へ歩み寄って来る。
…私の気持ちも知らないで。
分かっていないだろう。硝子への相談内容が、貴方だって事。
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ななき - もー死ぬほどキュンキュンとまりません、もっとお願いします!!!!!!?!!!!!! (11月30日 23時) (レス) @page46 id: f371c2d5cf (このIDを非表示/違反報告)
憂流(プロフ) - 水泳進化人さん» 嬉しいです!ありがとうございます!! (2021年6月28日 17時) (レス) id: 275269a074 (このIDを非表示/違反報告)
水泳進化人(プロフ) - あー…好き、めちゃめちゃ好き…それだけです。 (2021年6月19日 19時) (レス) id: ddf2ca19b2 (このIDを非表示/違反報告)
憂流(プロフ) - 星空の砂時計さん» ありがとうございます!!更新ゆっくりですがこれからもよろしくお願いします!作品、機会があれば読ませて頂きますね…! (2021年4月17日 23時) (レス) id: 275269a074 (このIDを非表示/違反報告)
星空の砂時計 - とても面白いですね♪ 作者さんのペースで更新を頑張ってくださいね! 私も呪術廻戦にハマり、作品を書いている者なので機会があれば何処かでお会いしましょう! *´▽`* (2021年4月17日 16時) (レス) id: a21ef6301e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:憂流 | 作成日時:2021年2月15日 18時