第3話 : 特技 ページ6
貴方side
類「Aくんは何か好きなことはあるのかい？」
『好きなこと…？』
類「ああ、例えば歌うのが好きだとか、運動が得意だとか」
『特技…』
なんだろう…私の特技
運動神経がいいとはよく言われるけど、運動は別に好きではないし。
それに、得意になりなくてなったものでもない。
それ以外で、私が好きなこと、得意なこと……
『ないな』
類「おや」
『よくよく考えては見たけど、私の取り柄って何も無いや』
類「本当にそうかな？」
『え？』
彼は、ドローンを片手で回収してから、コントローラから手を離した。
そして、私をじっと見つめた。
類「取り柄のない人間なんていないさ。自分が気づいてないだけで、君にも他人から賞賛されるような何かを持っているはずだよ」
『……賞賛されは、しないかな…』
類「え？」
神代くん。
私もね、自分で自覚している特技はあるんだよ。
でもね、それはきっと…誰からも受け入れては貰えないんだ。
『神代くん、今お腹減ってるでしょ』
類「え…」
『当たった？』
類「う、ん。でも、どうして分かったんだい？」
『えへへ…これが私の特技』
どうしても、困ったようにしか笑えなかった。
だってこれも、私が望んで勝ち取った特技じゃないから。
『顔の表情とか、仕草とか、すごく些細なことで人の感情がちょこっとだけ分かったりするの。ネガティブな感情は特に』
類「すごいじゃないか。メンタリストみたいだ」
『んー。それが、そうでも無いんだなあ。』
類「おや、どうしてだい？」
小さい頃は、友達の気持ちを言い当てて遊んでたけど…
時が経つにつれ、気味悪がられたり、異物扱いされたりして、いい事なしだった。
だから次第に、この特技は 空気を読むためだけ に使うようになった。
『まあ、色々あるんだよ』
類「そうか」
それ以上は聞いてこなかった。
それも、彼の優しさなんだろうな。
『でも、神代くんの心はすごく読み取りずらい』
類「そうなのかい？」
『うん。でも…』
類「？」
だからこそ、彼の隣は落ち着くのかもしれない。
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そら(プロフ) - 穂花さん» 類くんの優しさを少しでも表現できていたら嬉しいです！ (2023年1月7日 11時) (
レス) id: 60384b3469 (このIDを非表示/違反報告)
穂花 - 類くんの優しさがとても感じられました。 (2022年11月6日 21時) (レス) @page14 id: 088ffe93fa (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - てるっぴーさん» ありがとうございます！更新遅くなってしまってごめんなさい！良ければまた見に来てくれると嬉しいです！ (2022年10月10日 11時) (レス) id: 60384b3469 (このIDを非表示/違反報告)
てるっぴー(プロフ) - コメント失礼します。めちゃくちゃドストライクなお話です！自分のペースで更新頑張ってください！ (2022年9月10日 10時) (レス) @page10 id: 312a74a89f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：そら | 作成日時：2022年8月17日 17時
