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第9話 : 仲直り ページ15

貴方side






類「本音か…とは、どういうことだい?」






神代くんの感情は読み取りづらい。

だから、これは勘だ。

神代くんが、背中を向けて言っている気がした。

何かを隠している気がしたんだ。






『神代くんが、私から離れたいってことは分かったよ。それで神代くんはどうしたいのかなって』


類「だからさっきから離れたいと言っているはずだけど…」


『ううん、そうじゃない。…ここ』






そう言って、自分の胸に手を当てた。

私は神代くんの本心が聞きたい。







類「…」


『…ね、依存するってそんなに悪いこと?』


類「え…」


『一緒にいて心が楽な人の側にいたいって気持ちは、許されないことなのかな?』


類「そんなことは…ないと思うよ……ただ」


『ただ?』







神代くんはうつむきながら、胸をグッと締め付けた。







類「…僕は、ただ、怖いのかもしれないね」


『…』








怖い…。それが神代くんの本音。

それが何に向けての感情なのかは分からないけど。

そっか…。







『2度目だけど、私は神代くんのそばに居たいよ』


類「…」


『でも、それで神代くんが傷つくなら私はそんなことしたくない。もう近づかないって約束するよ』


類「!…」


『急に押しかけてごめんね。…さよなら』







屋上の時とは違う、本心からの「さよなら」を言って神代くんに背を向けた。

今度は引き止めてほしいなんて思わない。

ちゃんと話せてよかった。


もう既に泣きそうだけど。せめて家に帰るまでは…涙よどうか出ませんように。







類「っ……待ってくれ」


『え…?』


類「…あ」








微かな声を聞き取り、思わず振り返ってしまった。

神代くん自身、無意識に出た言葉だったのか、戸惑いの表情だった。







類「す…すまない」


『神代くん…?』







正直、驚いた。神代くんには強い意思があるから。


でも今、おそらくだけど、彼の中で何かが揺れている。

感情がひどく不安定になっているのかも…。







『…神代くんは私といてどう思う?』


類「…よく、分からないな」


『そっか…』


類「でも………すごく落ち着くよ」







!!

神代くんの、さっきまで強ばっていた表情が少しゆるくなった。








『明日!…屋上で、私ともう一度会ってくれる?』


類「…すまない」







はい。今度こそ完全に拒否られました。

むしろスカッとするほどに。

とほほ…でも神代くんが望むならさっさと離れ







類「僕の、そばにいてくれるかい?」


『!!』

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そら(プロフ) - 穂花さん» 類くんの優しさを少しでも表現できていたら嬉しいです! (2023年1月7日 11時) (レス) id: 60384b3469 (このIDを非表示/違反報告)
穂花 - 類くんの優しさがとても感じられました。 (2022年11月6日 21時) (レス) @page14 id: 088ffe93fa (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - てるっぴーさん» ありがとうございます!更新遅くなってしまってごめんなさい!良ければまた見に来てくれると嬉しいです! (2022年10月10日 11時) (レス) id: 60384b3469 (このIDを非表示/違反報告)
てるっぴー(プロフ) - コメント失礼します。めちゃくちゃドストライクなお話です!自分のペースで更新頑張ってください! (2022年9月10日 10時) (レス) @page10 id: 312a74a89f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:そら | 作成日時:2022年8月17日 17時

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