第8話 ページ9
貴方side
翌朝、私はいつもより早く目覚めた
いや、正しく言えば…
『全然眠れなかった…』
まだ重たい体を起こし、キッチンへと向かった
転弧くんが来た日から、朝昼晩とご飯は自分で作っているのだ
まだ1度も成功したことはないが…
『……』
まずい…非常にまずい…
いや、これは決して、私が作る料理に対してではない
私が転弧くんに抱き始めている感情だ
……"気味が悪い"
『まずいなぁ……』
数日一緒にいるうちに、彼の中にある「何か」を感じるようになってきたのだ
"彼を救いたい"
もちろん、それは心の底から思っている
ただ、それと同時に…"早く離れたい"
そういう恐怖の感情も、微かに湧いてくるのだ
『…何とかしなくちゃ』
朝ごはんを作り終えて、転弧くんの部屋へと向かった
どうか、私の本心が気づかれませんように…
そう願いながら、扉を開けた
『おはよう、転弧くん』
「…おはようございます」
子どもは、ちょっとした心情の変化にも気づくことがあるという
なるべく、いつもの私で…自然体で…
『今日の朝ご飯は、サンドウィッチだよ！』
「形…がたがた…」
『味は変わらないから！パンにサラダ挟んでるだけだから！不味くなりようがないから！大丈夫さ！』
「…」
転弧くんが、じっと見つめてくる
少し眉をひそめている気がする
ヤバ…いつもよりハイテンションすぎたかな…？
隠そうとするあまり、誇張しすぎたかも
「いただきます」
『どうぞ…』
転弧くんの前に座り、顔色を伺いながら、ちびちびとお茶をすすった
気づかれてないかな…
心做しか、いつもより転弧くんとの距離が遠い気がする
何とかしないと…
『て、転弧くんは好きな食べ物とかないの？』
「…ない」
『そ、そっかぁー…』
はい、会話終了
なんだ…この重たい空気は
「ごちそうさま」
『あ！うん』
結構何も話せずに終わってしまった
あれ？転弧くん、玄関の方へ…
『転弧くん、どこか行くの？』
「うん…ちょっと散歩してくる」
『そっか、気をつけて…』
はっ…!!
まさか家出か!?
ここにいるのが嫌になったのか!?
『かっ…帰りは遅くならないようにね！』
「え…うん」
『行ってらっしゃい!!』
「！」
転弧くんは一瞬だが驚いた顔をしていた
でも、何事も無かったかのように無表情に戻り、扉を開けた
「……いってきます」
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そら(プロフ) - 白兎さん» ありがとうございます！とても嬉しいです！マイペースながら、頑張って投稿していこうと思います (2023年1月21日 19時) (
レス) id: 60384b3469 (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - 真白さん» ありがとうございます！そう言ってもらえて嬉しいです！ (2023年1月21日 19時) (レス) id: 60384b3469 (このIDを非表示/違反報告)
白兎 - こういう小説を求めていたのでこの小説に出会えて良かったです、、これからも体調を崩さない程度に投稿していただけたらありがたいです (2023年1月17日 23時) (レス) @page8 id: 0b3ef26d69 (このIDを非表示/違反報告)
真白 - このケースの話は見たことなかったので楽しみです！ (2023年1月15日 23時) (レス) @page8 id: 1bd364c53c (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - シロヌコさん» ありがとうございます、これからもマイペースに投稿していきます！暇な時にでもまた見に来てくれると嬉しいです (2023年1月15日 22時) (レス) id: 60384b3469 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：そら | 作成日時：2022年8月30日 23時
