3. 両面宿儺 ページ3
夜になり、遷宮寺は学校へと向かっていた。しかし急いではおらず、ゆっくりと歩いている。だが...遷宮寺は先程と様子が変わり、走り出した。
『何じゃ...このおぞましい気配は!』
普通の人間より速いスピードで走り、学校へ辿り着く。そこからでも感じる強大な気配、しかも僅かだが渡り廊下の上に人影が見える。それが原因だと理解した遷宮寺は、走り出した。
『何という強大な気配...突然現れた?何故?意味が分からん』
そんな事を口にしながら、校内に居る呪霊を祓って走る。顕現させた刀_紅姫を持って。
『!』
もう一つ、強い呪力の持ち主が現れた。
何故か壊れている壁に隠れ、外の様子を窺う。
『...不審者(ボソッ』
そう、そこには虎杖・伏黒...そして目隠しをした五条の姿があった。他から見ればただの不審者だ。
「五条先生!如何して此処に!」
「や!来る気なかったんだけどさ、流石に特級呪物が行方不明となると上が五月蝿くてね。観光がてら馳せ参じたって訳。で、見付かった?」
五条の言葉に伏黒は黙り、虎杖が答えた。
「ごめん...俺、それ食べちゃった」
「マジ?」
「「マジ」」
それを聞いた遷宮寺は『は?』と呆けていた。
「んー?」
五条は虎杖に顔を近付かせ、ジッと見る。
そして気付いた様に笑った。
「ははっ、本当だ。混じってるよ、ウケる」
『(ウケるな小僧)』
400年以上生きる遷宮寺にとっては五条悟でさえ小僧なのである。この中で年上は両面宿儺だけだ。そんな事を遷宮寺は知らないのだけれども。
「体に異常は?」
「特に...」
「宿儺と変われるかい?」
「スクナ?」
「君が喰った呪いだよ」
「嗚呼、うん。多分出来るけど」
「じゃあ10秒だ、10秒経ったら戻っておいで」
「でも...」
「大丈夫、僕最強だから」
65人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
三隣亡 - とても面白いです!!これからも頑張ってください!続きを楽しみにしてます! (2021年2月4日 20時) (レス) id: 9280cade43 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:冬桜椿 | 作成日時:2021年1月21日 15時