94:頭痛 ページ46
鋭い痛みで、思わずその場に膝をついた
細い糸が幾重にも巻き付けられた脳みそが思いっきり引っ張られ締め付けられている──例えるならそんな所だろうか。
とにかく、食堂や町中じゃなくて良かった。
ちらちらと視界の端に揺れる灯りが目障りで、強く目を瞑る。
「っ、」
ごろりと仰向けになって深い呼吸をする。
「っ、は、ぁ、っ、はーっ、は、はぁ、っは、は、」
徐々に落ち着いてきた痛みに比例して呼吸も落ち着いてきた。
一体何だと言うのだ。
ぐしゃり、と髪を握る。
痛みに滲んだ汗が気持ち悪い。
「風呂、行こう」
誰に伝えるでもないが、こうして声にしておかなくては、私の存在がこの場所にあることに確信が持てないような、そんな気がしていた。
"消えてしまう"
ちらついた言葉に、気付かない振りをした
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みぃ(プロフ) - コメント失礼します!こちらの作品がとても大好きでいつも楽しく読んでます。更新頑張ってください。応援してます (2019年5月31日 19時) (レス) id: d77d134be6 (このIDを非表示/違反報告)
虎(プロフ) - れもんさん» 楽しみにしてます!私の考えなのですが、伊東さんは、もしかしたら愛情が欲しかったのかな?と思いました。 (2019年2月19日 23時) (レス) id: f0c523c988 (このIDを非表示/違反報告)
れもん(プロフ) - 虎さん» お返事遅くなり申し訳ありません。コメントありがとうございます!!伊東さん…確かに頭が良くて何と無く怖い印象があるのわかります…でも生い立ちもラストも切なくて……。真選組動乱編終了までもう少しですので楽しんでいただけるよう頑張ります! (2019年2月18日 23時) (レス) id: af4b9b062a (このIDを非表示/違反報告)
虎 - 面白いです!私は伊東さんっていつ見ても少し怖い印象を持っています。 (2019年2月17日 20時) (レス) id: f0c523c988 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:東雲出雲 | 作成日時:2019年2月13日 0時