91:文通 ページ43
「A、また届いてんぞ」
べしっと額に投げつけられた手紙の差出人を確認する
「ああ、ユウリさんから」
そう言葉にすると、沖田さんが嫌そうに眉をしかめた
「誤解は解けたんじゃねーのかィ」
「ええ、最近は私に剣術を教えてほしいそうで」
よくお手紙をくれるユウリさんに返事を書こうと硯箱を開く
「はァ?どういう風の吹き回しでィ。奴ァ旗本のお嬢さんだろィ」
「ですからお断りしようかと」
「大体何でまた剣術なんざァ」
今にも居眠りを始めそうな沖田さんが欠伸混じりにそう言った
「お慕い申し上げる人に、少しでも近付きたいそうですよ」
可愛らしい理由だと思うと共に、それほどまでに慕う殿方が居ることを少しばかり羨ましく思う
「お慕い申し上げる人ねェ。アンタの好いた人間はバケモンだって教えてやりてェが」
「へぇ、そんなにお強い方なのですか」
沖田さんが知っているだなんて意外で、日向に横になっている沖田さんに視線を向ければ、ふいっと目をそらされた
「……あーそうか。ま、俺よりは弱ェがな」
「なら、大したことはありませんね」
「テメェ、日に日に口悪くなってんぞ」
「はて、誰のせいでしょう?」
ん?と首をかしげて見せれば、沖田さんは予想通りに舌を打って顔ごと縁側へと反らした
出ていかないのか、と内心でため息を吐いてから筆を執った。
さて、書き出しは何にしようか
「にしても剣術指南か……お、良いこと思い付いた」
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みぃ(プロフ) - コメント失礼します!こちらの作品がとても大好きでいつも楽しく読んでます。更新頑張ってください。応援してます (2019年5月31日 19時) (レス) id: d77d134be6 (このIDを非表示/違反報告)
虎(プロフ) - れもんさん» 楽しみにしてます!私の考えなのですが、伊東さんは、もしかしたら愛情が欲しかったのかな?と思いました。 (2019年2月19日 23時) (レス) id: f0c523c988 (このIDを非表示/違反報告)
れもん(プロフ) - 虎さん» お返事遅くなり申し訳ありません。コメントありがとうございます!!伊東さん…確かに頭が良くて何と無く怖い印象があるのわかります…でも生い立ちもラストも切なくて……。真選組動乱編終了までもう少しですので楽しんでいただけるよう頑張ります! (2019年2月18日 23時) (レス) id: af4b9b062a (このIDを非表示/違反報告)
虎 - 面白いです!私は伊東さんっていつ見ても少し怖い印象を持っています。 (2019年2月17日 20時) (レス) id: f0c523c988 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:東雲出雲 | 作成日時:2019年2月13日 0時