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76:友 ページ28

想像していたよりもあっさりと解決した事件に拍子抜けしながらも、私は世話になった宿屋の女将に挨拶をした後、丁度帰ってきたらしい辰馬さんと出会った



「もう行ってしまうがか…」



全身全霊で寂しいと告げる辰馬さんに少し心が痛みながらも笑みを浮かべた



「お世話になりました、辰馬さん」

「いーや、たった3日じゃが楽しかったぜよ」


つられるようにして明るい顔を見せてくれた辰馬さんにホッとする


「私も、楽しかったです」


そう返すと、辰馬さんは嬉しいことを言ってくれるのー!とすっかり笑顔になって私の髪をくしゃくしゃにかき乱すかのように撫でた



「……そうじゃ、A。一つ聞いてもええか?」


思い出したかのように辰馬さんが手を止めて私を見下ろした



「何ですか?」

「おまんは──」
「おい、いつまで喋ってやがる。とっとと帰るぜィ」



車を回してきた沖田さんが不機嫌そうに声を掛けてきた



「あ、はい!……何ですか?辰馬さん?」



改めて辰馬さんを見上げれば、少し迷ったように視線を泳がせてから、明るい笑みを浮かべた



「……いや!ド忘れしてもうたぜよ!どーせたいしたことじゃないき、忘れとーせ!」

「?……わかりました。それじゃ、行きますね」

「おう!達者でのー!」

「辰馬さんこそ、お元気で!」



車に乗り込んでも互いが見えなくなるまで手を振りあっていた。

なんだかぽかぽかと心が暖かい。
辰馬さんはあの"友人"と凄く似ているのだ。

懐かしくて思わず頬を緩めていれば、運転席から無言の沖田さんの拳が飛んできた


「いたっ!沖田さん?」

「気持ちわりー顔してんじゃねェ」

「す、すみません……」







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みぃ(プロフ) - コメント失礼します!こちらの作品がとても大好きでいつも楽しく読んでます。更新頑張ってください。応援してます (2019年5月31日 19時) (レス) id: d77d134be6 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - れもんさん» 楽しみにしてます!私の考えなのですが、伊東さんは、もしかしたら愛情が欲しかったのかな?と思いました。 (2019年2月19日 23時) (レス) id: f0c523c988 (このIDを非表示/違反報告)
れもん(プロフ) - 虎さん» お返事遅くなり申し訳ありません。コメントありがとうございます!!伊東さん…確かに頭が良くて何と無く怖い印象があるのわかります…でも生い立ちもラストも切なくて……。真選組動乱編終了までもう少しですので楽しんでいただけるよう頑張ります! (2019年2月18日 23時) (レス) id: af4b9b062a (このIDを非表示/違反報告)
- 面白いです!私は伊東さんっていつ見ても少し怖い印象を持っています。 (2019年2月17日 20時) (レス) id: f0c523c988 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:東雲出雲 | 作成日時:2019年2月13日 0時

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