59:嫌がらせ ページ11
伊東に言い渡された休暇。
副長が謹慎を言い渡された直後、私にも長期の休暇が与えられた。
どうやら伊東は尽く副長の影を消し去りたいようで
暇をもて余した私は、稽古でもしようかと道場へ向かっていた
「オイ聞いたか土方さんの話。無期限の謹慎処分だって」
聞こえてきた声に思わず足を止め息を潜めた
「局中法度を破ったってんで伊東さんは切腹を主張したらしいが局長やみんなの説得でそれは免れたらしい」
「特にAちゃん、凄かったらしいぜ。顔色一つ変えずに『ならば今ここで自害し副長の責めをこの身で償いましょう』つって腹斬ろうとしたってよ」
「マジかよ!すげェな……」
「でも、結局副長は事実上の更迭。噂じゃ沖田さんも伊東派についたらしいぜ。もう誰も伊東には逆らえないよ」
沖田さんまで……。
休暇を言い渡されてからと言うもの、真選組の内情は全くと言って良い程耳に入ってこなかった。
謹慎だと聞いてはいたものの、まさか無期限だとは……。
「盗み聞きたァ人が悪ィな」
ぺしん、と竹刀が肩に落とされた。
「お、沖田さん」
「アンタ暇だろィ。ちと頼まれな」
相変わらず面倒臭そうな顔をして、沖田さんは私に小さく折り畳まれた紙を押し付けた
「何ですか?これ、」
「買い物でさァ。厨の連中に頼まれてよ」
「構いませんけど、何故私に」
「嫌がらせに決まってんだろィ」
チッと舌を打った沖田さんは、そのまま私とすれ違うと道場へと入っていった
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みぃ(プロフ) - コメント失礼します!こちらの作品がとても大好きでいつも楽しく読んでます。更新頑張ってください。応援してます (2019年5月31日 19時) (レス) id: d77d134be6 (このIDを非表示/違反報告)
虎(プロフ) - れもんさん» 楽しみにしてます!私の考えなのですが、伊東さんは、もしかしたら愛情が欲しかったのかな?と思いました。 (2019年2月19日 23時) (レス) id: f0c523c988 (このIDを非表示/違反報告)
れもん(プロフ) - 虎さん» お返事遅くなり申し訳ありません。コメントありがとうございます!!伊東さん…確かに頭が良くて何と無く怖い印象があるのわかります…でも生い立ちもラストも切なくて……。真選組動乱編終了までもう少しですので楽しんでいただけるよう頑張ります! (2019年2月18日 23時) (レス) id: af4b9b062a (このIDを非表示/違反報告)
虎 - 面白いです!私は伊東さんっていつ見ても少し怖い印象を持っています。 (2019年2月17日 20時) (レス) id: f0c523c988 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:東雲出雲 | 作成日時:2019年2月13日 0時