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「テスト?」
ジェラートを口に含みながら、Aはそう言って首をかしげた
「ああ、勿論、技量については問題ないことはわかっているが、これは謂わば¨規則¨だ」
真面目な顔でそう言うリゾットに、Aは暫くの間を置いた後かるく肩を竦めて見せた
「規則なら仕方無いな。内容は?」
「皆バラバラだったからな、一様には言えない」
「へぇ」
「明日¨上司¨に会わせる。準備をしておいてくれ」
「準備?」
「ああ。どんな事態にも対応できる準備を、な。
部屋は今朝目覚めた部屋を使ってくれ。鍵はかけられないが、構わないか?」
「ああ、問題ない」
ジェラートを食べ終えペロリと唇を舐める
「それから、¨道具¨は全て検品させてもらう。疑うわけではないが、アンタはまだチームの人間じゃないからな」
「勿論だ」
「後は――――」
「まだあるのか?一気に言えよ」
リゾットは少しの間を置いてから頭を掻いた
「……何と呼べば?」
するとAは、一瞬キョトンとしてからふっと吹き出した
「ああ、そうだった……いや、Aで良いよ!」
「わかった、A。何かあったら遠慮なく言ってくれ。……よろしく」
「こちらこそ」
互いに握手を交わしてから、Aはジェラートのコーンを包んでいた紙をくしゃくしゃにしてゴミ箱へ捨てた
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作者名:東雲出雲 | 作成日時:2018年7月1日 15時