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ふわり、吐き出される煙。
綺麗に巻かれた煙草の先がじっと音をたて紅くなる
肺の奥ふかくまで吸い込んだ煙を堪能してからワインを口に含んだ
「ああ、これだよこれ。良い趣味をしているね君は
ああ、そう言えばそれは一体?
それに、なんだ、やっぱり随分変わった格好の奴しか居ないのか。まさに仮装パーティー会場って感じだな
そうだ、私のスーツは?」
上機嫌にワイングラスを揺らすAは目の前に座るリゾットに捲し立てるように言葉を吐き出した
「……質問は一つずつにしてくれ。
それはテレビだ」
「へぇ、テレビ。家にはなかったな」
面白いものが出来たんだなぁ、と呟きながら、Aは灰皿に灰を落とした
「だろうな」
「つーかよォ、聞いてんのかァ?ここはアンタが居た時代から50年たってんだぜ!」
もっと驚くんじゃあーねぇのかよ!と言われ、Aは唇に煙草を挟んだまま視線をテレビへと向けた
「ああ、それはさっき聞いたよ。で、君達はギャングの一員で、その組織で君らは暗殺をやっている
つまり、君らは私の後任だろ?大変だねぇ」
からかうような口調で言うAに、ギアッチョが舌を打った
「アンタの話は今や伝説だぜ。マフィアの間でA・バルザレッティの名前を知らないやつは居ない」
メローネがそう言うと、Aは漸く嫌そうに顔をしかめた
「マジかよ、それは最悪だな。
ああ、これ凄く美味しい」
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作者名:東雲出雲 | 作成日時:2018年7月1日 15時